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特集 vol.140
世界遺産特集D
日光東照宮・日光二荒山神社へ
世界遺産特集第5弾は、徳川家康公薨去400年式年大祭で注目を集める日光東照宮と古代の山岳信仰を伝える日光二荒山神社。1999年に文化遺産として登録された「日光の社寺」をご紹介します。


神・仏・徳川幕府霊廟からなる一大聖地


1999年、モロッコのマラケッシュで開催された第23回世界遺産委員会において、「日光の社寺」が世界遺産に登録されました。
登録の理由は「人類の創造的才能を表現する傑作」「人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、あるいは景観に関する優れた見本であること」「普遍的な価値をもつ出来事、伝統、思想、信仰、芸術に関するもの」の3つの基準を満たしたこと。
構成資産は日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)、日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)、輪王寺の二社一寺。
9棟の国宝と94もの重要文化財があり、その周辺を、樹齢360年を超える木々が守る、徳川幕府の聖地です。


日光開山のシンボル、男体山。頂上には二荒山神社の奥宮があります。

日光東照宮の装飾。彩色や形を保つために40年に一度は修繕の必要があるそう。

日光の表玄関といわれる日光二荒山神社の神橋。

天才芸術家による
豪華絢爛な建築群


仏僧の勝道が男体山登頂に成功した782年以降、日光は日本古来の信仰と仏教信仰が結びつき、山岳信仰の聖地、修験道の修業場として発展を遂げてきました。
室町時代末期には、諸勢力の対立にまきこまれ、さらに豊臣秀吉に領地を没収されて衰退しました。
そんな日光に転機が訪れるのが、徳川家康公の御霊を久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)から日光東照宮へうつされてから。
日光東照宮は、三代将軍家光による寛永13年(1636年)の大造替で、権現造や彫刻や彩色をふんだんにほどこした今日の豪華絢爛な姿に。
同時に、日光二荒山神社も、家光により本殿や諸社殿を造営。
これらの建築は、徳川幕府の主任建築家である大棟梁・甲良宗広や平内応勝、主任画家である狩野探幽が意匠を担当しました。
伝説的な彫刻職人・左甚五郎が東照宮の眠り猫を制作したという伝承も残されています。
日本史上に名を残す天才芸術家たちが、家光による豊富な財源をもとに腕をふるったのが「日光の社寺」。
風雨に耐えられるよう連綿と技術を継承し、修復を続けてきたことが世界遺産の登録理由となっています。




日光社参ウオークは、7日間かけて東京から日光まで完歩するものと、毎回週末に1区間から参加できるものの2コース。ゴールはもちろん日光東照宮です。

今年は400年記念
イベントが目白押し


今年2015年は、徳川家康公薨去400年の節目の年。
日光をあげてさまざまなイベントが開催されています。
なかでも注目は日光東照宮の「将軍着座の間」特別祈祷ツアー。
境内の五重塔や陽明門、東回廊などを案内付きで拝観し、「将軍着座の間」で特別祈祷が受けられるというもの。祈祷料として2300円がかかりますが、神職や巫女さんに案内してもらい、ディープに東照宮を探検できるのが魅力です。
また、東武鉄道による「徳川家康公奉斎藤四百年記念 御朱印ラリー」も楽しそう。
浅草駅、東武日光駅や特急スペーシア車内で販売される「オリジナル御朱印帳」を購入し、浅草神社(あさくさじんじゃ)・上野東照宮(うえのとうしょうぐう)・日光東照宮の三社で御朱印を集めると、「特別祈祷お守り」が授与されます。
ほかにも日光東照宮五重塔前で「世界遺産『日光の社寺』芸能祭」が9月下旬から10月上旬ごろに予定されていたり、家康公の命日に江戸から日光へ参拝した「日光社参」をなぞらえた「日光社参ウオーク」が10月24日から12月6日まで開催されたりと、2015年いっぱい日光を楽しめそうです。