鳥居をくぐったら、水が満たされた石の水槽に柄杓(ひしゃく)を置いた設備に
気がつくと思います。これは水飲み場ではありません。手水舎(ちょうずや)と呼ばれます。
神さまはなにより穢(けが)れを嫌うので、ここで手を洗い、口をすすぐことによって
身を清めます。
手は左手、右手の順に洗います。手を洗ったら、右に柄杓を持ち、左手で水を受けて、
口に水を注ぎこんですすぎます。間違っても、柄杓に口をつけて水を含まないようにしましょう。
口をすすぎ終わったらもう一度、左手を洗い清め、そのあと、柄杓の柄を水で清めて
元の場所に戻す。濡れた手はハンカチか懐紙で拭いましょう。
ときどき手を振って水気を払っている人を見ますが、よくありません。
ハンカチなどを前もってバッグ、ポケットなどから取り出しておき、
清めの作業に入るのが望ましいです。
身を清めたら拝殿に向いましょう。途中、鳥居があったら忘れずに一礼しましょう。
参道のど真ん中を大股でのし歩くのは厳禁。真ん中は神さまがお通りになるところですから、
端を歩くのがしきたりです。拝殿前に立ったら、お賽銭を賽銭箱に入れましょう。
賽銭は神さまへの貢ぎ物の意味があります。金額の多い少ないは関係ありません。
次は鈴。静かに一回鳴らしてください。鈴は昔から、神さまの出現を報せる呪物として使われて
きました。つまり、拝殿で鈴を鳴らすことにより、人は神さまと直に向き合うことになります。
続いて拝礼。これは二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)が正式なやり方でです。
拝とは頭を深々と下げること。90度くらいまで下げるのがよいでしょう。
拍手とは手を打ち鳴らすこと。つまり、頭を2度下げたあと、手をパチンパチンと打ち鳴らし、
さらに頭を一度下げることになります。お願いごとは、二拍手のあとに合掌したまま
心の中で唱えましょう。願い事は「人類の平和」といったお願いより、
「明日の試験に合格しますように」というように具体的な方が良いでしょう。
お願いごとがすんだら一拝。
このとき「祓いたまえ、清めたまえ、神ながら、守りたまえ、幸いたまえ」という清めの詞を
唱えた方が良いと思われます。なお、神社によっては清めの詞を掲示しているところもあります。
その際には、掲示の詞を唱えましょう。