2010.01 美少年の花、スイセンを愛でる神社散歩へ
ヨーロッパから 神話と共に渡来
ギリシャ神話に登場するナルキッソスは、ナルシストという言葉の語源になった美少年。数多くのニンフに言い寄られながら、心根が冷たくつれない態度をとったことで女神に呪いをかけられ、湖面に映った自分に恋をしてしまいます。かなわぬ恋に焦がれ、自分の姿から目が離せなくなり痩せ細って死んだナルキッソスは、1本のスイセンに姿を変えたと言われています。
ナルキッソスの神話から、スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」。水辺に咲くスイセンは、確かに水面に映る自分の姿をのぞきこんでいるように見えます。そして、寒風に揺れながら咲く様子はうぬぼれてしまうナルキッソスの気持ちも納得できる清らかな美を感じさせてくれます。
1月に見頃を迎える 神社のスイセン
遠くヨーロッパからシルクロードの長旅を経て伝来したスイセンは、日本の気候と相性がよく冬に目を楽しませてくれる数少ない花になりました。日本へいつ伝来したか定かではありませんが、平安時代末期に描かれた色紙のなかにスイセンが見つかっています。
歴史あるものと縁があるのが神社のならい。群馬県の冠稲荷神社(かんむりいなりじんじゃ)や、神奈川県の鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)、埼玉県の高麗神社(こまじんじゃ)など、スイセンが見られる神社があるのでお参りがてらにスイセンを訪ねてみてはいかがでしょうか?立ち姿も美しいスイセンを見れば、美少年に焦がれるニンフのような純真な気持ちを取り戻せるかもしれませんよ。
1月にお花見ができる神社
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