京都の北野天満宮(きたのてんまんぐう)、福岡の太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)とともに、日本三大天満宮ともいわれている防府天満宮(ほうふてんまんぐう)。日本で最初に菅原道真公(すがわらのみちざねこう)を祀ったと伝えられている神社です。
山口県防府市は、菅原道真公が宮中での権力争いで失脚して九州の大宰府へと向かう際、本州で最後に宿泊した地といわれています。「道真公が亡くなった日には、勝間の浦に神光が現れ、酒垂山(防府天満宮の背後にある天神山のこと)に紫色の雲がたなびいて人々を驚かせた」という伝説も残っており、道真公ととても縁の深い土地なのです。
御祭神の道真公は梅を愛したことでも知られていますが、防府天満宮にも約1100本、16種類もの梅の木があります。2月中旬から3月上旬頃になると梅の花が咲き誇り、境内は鮮やかなピンク色に染まります。まるで竜宮城のような楼門も実にフォトジェニック。カメラファンにも人気です。
防府天満宮に参拝したらぜひとも味わいたいのが、防府の新名物「ほうふ玉子かけごはん」。誕生のきっかけは、吉田松陰の妹・文を主人公にした、平成27年(2015年)放映のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」だそうです。ドラマの舞台のひとつだった防府市は、ヒロイン夫妻が晩年を過ごした土地でした。夫・楫取素彦(かとりもとひこ)が残した書簡には、好物として「玉子かけ」が登場します。そこで、防府天満宮の周辺店舗からなる「うめてらすネットワーク」では、オリジナルメニューを開発。各店舗の個性や地元産食材をいかした絶品玉子かけごはんメニューが数多く誕生し、ドラマ放映後も人気となっています。自由発想で生まれたメニューはバラエティ豊富。和風だけでなく、洋風や韓国風のものもあります。参拝のたびに違う味を楽しんで、全メニュー制覇したくなりますね。