地元の人からは「けいさん」と呼び親しまれる氣比神宮(けひじんぐう)。『日本書紀』や『古事記』に記述があるほど歴史が古く、越前国一宮、北陸道総鎮守として朝廷や幕府から厚い信頼を受けた格式ある神社です。ご祭神は伊奢沙別命(いざさわけのみこと)をはじめ七柱で、五穀豊穣、産業発展、海上安全などにご神徳があり、現在も農業、漁業、海運業者などに特に崇敬されています。
国宝であった旧本殿などの社殿は、残念ながら第二次世界大戦時の空襲で焼失しましたが、朱塗りの大鳥居だけは戦火を免れました。この大鳥居は日本三大鳥居のひとつで、国の重要文化財でもあります。その美しくも堂々と佇む姿は必見ですよ。そのほか境内には長命水など人気のパワースポットもあるので参拝がてらぜひ散策を。
氣比神宮のすぐ脇を走る国道8号線は「ラーメン街道」と呼ばれています。アーケード沿いにラーメン店が軒を連ね、さらに夕刻になるとちょうちんを下げた屋台も次々に開店します。この屋台こそが敦賀ラーメンの起源。50年ほど前、一台のラーメン屋台が敦賀駅前で旧国鉄列車の利用客や鉄道員たちの空腹を満たしたことが始まりだそう。当時は、夜になると営業を知らせるチャルメラの音が駅前に鳴り響いたとか。その後、トラックの往来が増えて国道8号線にも人気が波及して現在に至ります。
敦賀ラーメンは、豚骨と鶏ガラをベースに醤油を加えた白濁スープが基本。あっさりからコッテリまで各店舗がこだわりの味を出しています。地元民に愛される老舗屋台「おかや」も、人気店のひとつ。チャーシュー、ネギ、メンマがのり、ダシが効いたあっさりめのスープで、どこか懐かしい味わいです。屋台の多くは19時頃から深夜にかけて営業しているので、夕飯にも一杯飲んだ後のシメにもおすすめですよ。