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2019.07
江戸の粋を感じる
境内の朝顔市へ。

“粋”好きな江戸っ子が
熱狂


江戸の夏は、クーラーも扇風機もなし。とても暑苦しそうですが、長屋暮らしの家族持ちでも月に10日から15日も働けば十分食べて行けた時代。「暑い夏に働くなんてやぼだ」とばかりに、夏はのんびりゴロゴロ暮らしていたようです。
数日間のお盆休みに嬉々としている現代人からすると、うらやましい限りの暮らしぶりです。

時間に余裕がある暮らしを送っているからか、趣味についやす時間もたっぷりあったようで、江戸時代にはさまざまな園芸ブームが開花しました。
そんななか、江戸末期からにブームを迎え、夏の風物詩となったのが朝顔。苗の価格が安く庭先で手軽に育てられたことから、下級武士や庶民も手を出しやすい趣味として浸透したのでしょう。文化文政期と嘉永安政期に2度のブームが襲来し、たくさんの図版が出版されたり、珍奇なものを喜ぶ江戸っ子たちにより、八重咲きや花弁が多いものなど数々の変化朝顔が誕生したりしました。明治に入ると入谷鬼子母神で朝顔市がはじまり、往来を通行止めにして木戸銭を取るほどの盛況ぶりを見せますが、大正時代には一度廃れてしまいます。
戦後には、再び朝顔市が開かれるようになり、首都圏の夏の風物詩として定着するようになりました。


風流に楽しみたい
朝顔市


昔ながらの雰囲気が楽しめるのが、千葉県成田市の埴生神社(はぶじんじゃ)の朝顔ほおずき市。
埴生神社は、成田総鎮守で、地元では産土さま、子育ての神さまとして親しまれている神社です。

朝顔ほおずき市は、夏祭りが行われる7月上旬の土・日曜の2日間に境内でおこなわれます(2019年は7月13日・14日)。販売時間は両日とも朝7時から。
1日目は宵宮で夕方からお囃子などの催しも開催されます。この2日間は、限定御朱印も頒布されるので御朱印帳持参で、夏の風物詩を楽しんでみませんか?