近江商人に信仰されてきた日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)。
滋賀県近江八幡市の近江八幡駅から約2km、八幡山の南麓にある神社です。関東在住のためなかなか足を伸ばせなかったのですが、参道に大好きな和菓子店「たねや」があることを知り、がぜんやる気が出て遠路はるばる参拝してきました。
近江八幡市の日牟禮八幡周辺は、桃山時代に活躍した「近江商人の街並み」が残る観光スポット。豊かな水郷地帯の先に国の重要文化財にも指定されている風情豊かな街並みがあり、その中心ともいえる場所に日牟禮八幡宮があります。カーナビでは、細い住宅街を抜けるルートでしたが、ところどころに看板があり無事に到着。駐車場には観光バスが何台も停まり、賑やかな雰囲気でした。車から降りてまず目に入ってきたのは、重厚な楼門。楼門をくぐるとすぐに拝殿と本殿があります。御神徳で知られるのは、もちろん商売繁盛。近江商人とまでは行かないまでも、仕事が滞りなく今後も続けられるようにと手を合わせてきました。
御祭神は、誉田別尊(ほむだわけのみこと)・息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)・比売神(ひめがみ)の三柱の神さま。
平安時代に、京都の石清水八幡宮から神霊が勧請されたのが創建の由来とされています。
参拝後は、お楽しみのスイーツタイム。参道の「たねや日牟禮乃舎」は、神社からすぐの場所にあり、迷うこともなく到着できました。
「昔ながらの茶店」をイメージしたという店内は、緑豊かな日牟禮八幡宮の参道にぴったりの趣。定番の和菓子も購入できますが、お目当ては焼きたての「つぶら餅」です。茶屋が併設されているので、その場でいただくことができます。
「つぶら餅」とは、地元近江の餅米を使い、粒餡を包んで焼き上げたもの。表面はサクッと、中はもっちり。きちんと甘いけれどくどくない餡と相まって、2個くらいぺろりと食べられます。
茶屋は、参道に向かい壁がなく、外と一体化したつくり。ほの暗い店内は落ち着いた趣があり、ゆったりと流れる時間も楽しむことができました。
参拝と甘いもので心と体を癒やしたあとは、参道の入口にある八幡堀を散歩するのがおすすめです。もともと豊臣秀次の居城八幡城の堀であり、町の大動脈として商人たちの繁栄に大きな役割を果たしたといいます。
いまは、観光屋形船が行き交うのみですが、白壁の土蔵や旧家が建ち並ぶ様子など、昔ながらの街並みをお堀沿いの遊歩道から眺められるようになっています。