北陸新幹線開通で話題の富山県。そして能登半島の東側のつけ根に位置するのが氷見市。その氷見市市街から北西15qほど離れた標高200mの中山間部に広がる胡桃地区に、「滑らない神社」として知られる火神社(ひじんじゃ)があります。
胡桃地区は地形上昔からたびたび地滑りの災害にみまわれてきたのですが、集落が壊滅した大災害時に土砂が火神社をよけていったことから、受験合格祈願や車のスリップ止めなどに御利益があるとされるようになったとか。
神主さんが常駐しない小さな神社ながら、無人授与の御守りを求める参拝者が引きも切らないそうです。
滑らない神社で合格祈願やスリップ止め祈願をしたあとは、スムーズな勉強や運転を願って、滑りのよいうどんはいかがでしょうか?
実は、氷見市の名物が秋田の稲庭、香川の讃岐に並び、日本三大うどんのひとつともいわれる氷見うどん。輪島そうめんの技法がルーツの氷見うどんは、約1年は日持ちする乾麺が基本。麺が細いのが特徴で、強いコシと弾力のあるもちもちとした食感が魅力です。その秘密が、こだわりの手延べ製法。小麦粉を混ぜて塩を加え足踏みしたあと、さらにいくつもの工程があります。綾かけといわれるそうめん作りの技法を使い、2本の棒に生地をかけてのばすなどして細麺にし、一昼夜乾燥させたら完成。とにかく手間暇がかかっています。
この製法でうどん販売を始めたのが、市内のうどん製造会社「海津屋」。昭和初期に輪島そうめんが姿を消したのち、1975年に現会長が、手延べで作った細い乾麺を売り出したのが、「氷見うどん」を全国に広めるきっかけとなりました。
氷見うどんは「うどん茶屋 海津屋」で食べられるほか、乾麺はネット通販ほか市内道の駅など各所で販売しています。