日本が誇る巨大漁港のひとつである気仙沼。気仙沼湾の最深部には船着き場や魚市場があり、湾を守るように唐桑半島が伸びています。気仙沼で人気の観光スポットである唐桑半島最南端にあるのが御崎神社(おさきじんじゃ)。
リアス式海岸特有の豪壮な岸壁や大理石が削られてできた石柱、折石(おれいし)などの名所も見物しながら、半島の奥へ奥へと進んで行くと森の中に御崎神社があります。
奈良時代、嵯峨天皇の弘仁中(810〜823年)に記録が残る千年以上の歴史を誇る古社。御祭神は、大海津見大神を祀っています。
「おさきさん」と親しまれ地元の漁師さんたちが大漁祈願に訪れるほか、縁結びにも御利益があるそう。
御崎灯台へと続く遊歩道も整備されているので、参拝がてら訪れるのにもおすすめです。
参拝しておなかがへったら、気仙沼のおいしいものを食べたいところ。気仙沼といえば海の恵みの宝庫。地元の美味のおともにしたいのが地酒です。特におすすめは、男山本店で造られる「蒼天伝」。男山本店は1912年創業という老舗の蔵元。2001年に「気仙沼らしいお酒を」というコンセプトで造られたのが「蒼天伝」です。
「気仙沼の蒼天のような爽やかで澄んだ味わい」を目指したそうで、柔らかな口当たりながら凜とした味わいは三陸海岸で獲れる海鮮との相性が抜群。「純米大吟醸酒」「大吟醸酒」「純米吟醸酒」「特別純米酒」「純米酒」「特別本醸造」の6つのラインナップがあります。
2011年の東日本大震災では、酒造タンクにもろみを仕込んだ直後に被災。冷却装置が停電の影響で作動しないなか「町の復興のために酒を造ろう」と、残った社員が力をあわせタンクに氷袋を巻いてもろみを熟成させたそう。一方で、被害を受けた人々に仕込み水を提供するなどの活動もおこない復興を支援。そんななかで造り上げられた日本酒は、人々の心に復興への希望の火を灯したに違いありません。
地元の居酒屋で三陸の海の幸とともに味わいたいところですが、「気仙沼さかなの駅」などの物産店での購入や通販も可能なので、奇跡の地酒をぜひ味わってみてください。