池に浮かび、透明感のある色彩の花を咲かせる睡蓮。見ごろは5月から8月と長く、花の少ない夏の時期に目を楽しませてくれます。
さまざまな品種があり、赤道直下のエジプトからアジア、ヨーロッパなど広範囲に分布し、世界中で愛されている花でもあります。フランスの画家、クロード・モネも睡蓮を愛したひとり。
印象派の画家としてあまりに有名なモネは、日本画に影響を受け、自宅に睡蓮の池と池にかかる日本風の橋を自ら設計しました。睡蓮を主題にした連作は、約200点。膨大な時間を睡蓮のある景色に向き合い作品を生み出し続けました。
これほどまでにモネを魅了した睡蓮の池に似ていると評判の池が、とある神社の境内にあります。それは、岐阜県関市の根道神社(ねみちじんじゃ)。
岐阜県神社庁のサイトによると御祭神は、根道大神(ねみちおおかみ)、伊弉冉命(いざなみのみこと)、大山祇神(おおやまずみのかみ)、金山比古神(はなやまびこのかみ)の四柱。旧明神から明治9年(1858年)に根道社と改称され、明治42年(1909年)に数社が合併されたとありました。
由緒の手がかりも少ないこの社は、緑豊かな田んぼの中の小さな丘に建っています。通称「モネの池」は、参道のすぐ横。雑草が生い茂っていた池を、近隣の人が除草をおこない睡蓮を植え、また別の人が自宅で飼えなくなった鯉を放したことからモネの睡蓮のような景観が偶然にもできあがったといいます。2015年ごろからネットで話題になり、テレビの情報番組にも取り上げられるようになり、現在は多くの観光客が訪れるようになりました。
こんこんと湧き出る水は、養分が少なく微生物が育たないため透明度の高さが維持されているそう。特に開花時期は、より美しい景色が見られるとか。
1年でもっとも美しい和風モネの池。混雑は覚悟しても一度は見てみたいものです。