天満宮、天神社などに学業の神さまとして祀られている、菅原道真公。道真公がこよなく愛したのが梅の花です。全国各地の天満宮、天神社などの社紋は梅がモチーフで、境内には梅の木が多く植えられています。
可憐で美しい花を咲かせ、桜よりも早く春の香りを届けてくれる梅の花は、実ったあとは人々の役に立つ優れた健康食品として、古くから生活に密着してきました。
梅の実の種を割ると、その中心にさらに堅い核(仁)という実が出てきます。これを梅好きだった道真公にちなみ「天神様」と呼びます。「梅は食うとも、核(さね)食うな。中に天神寝てござる」とも言われ、毒になる成分を含むので食べないようにとの意味合いのほか、種までも天神様として粗末に扱わない風習が、地方によってはあるようです。
天神様を祀り、江戸時代より梅の名所として親しまれてきた東京・文京区の湯島天満宮(ゆしまてんまんぐう)。ここでは、毎年2月8日~3月8日までの1か月間「梅まつり」が盛大に開催されます。境内に植えられた約300本の梅の木が花を咲かせる中、神輿渡御、梅の花咲く下での野点、白梅太鼓ほか、ふるまい蕎麦、生花展、パレードからカラオケ大会まで数多くのイベントがおこなわれます。
毎回約40万人の参拝者が訪れるほどのにぎわいになる、湯島天満宮の梅まつり。早春の香りを天神様といっしょに、楽しみに出かけてみませんか?