埼玉県越生町にある梅園神社(うめそのじんじゃ)は、梅のお花見もできる神社。
数百年前に大宰府天満宮から分祠され、享保元年(1716年)に社殿が建立されたと伝えられています。
梅園は梅園神社の向かい側、徒歩でおよそ100m。
越生梅林(おごせばいりん)は、水戸の偕楽園、熱海梅園とともに関東三大梅林に数えられる見事な梅が見られるスポットです。
梅園神社鎮座の際に菅原道真公にちなんで梅が植樹されたのが起源で、約2ヘクタールの園内には600年前に植えられた古木をはじめ、白加賀、越生野梅、紅梅など約1000本の梅の木が花の美しさを競っています。
毎年2月下旬から3月下旬までは梅まつりがおこなわれ、週末は獅子舞やお囃子、太鼓の演奏など賑やかなイベントも開催。3月中は毎日ミニSLが運行されるので、親子連れで訪れるのもよさそうです。
梅園神社のように、菅原道真公を祀る天神信仰の神社には梅を御神木として植えているところが多数あります。
道真公が好んだ花であるのが梅を植えるゆえんですが、「道真公といえば梅」という認識が定着したのは、南北朝時代末期につくられた「渡唐天神(ととうてんじん)」像のため。
「渡唐天神」とは、道真公が唐(当時の中国)にわたり禅の道に入ったとされる俗説です。
詩禅一致を目指す五山僧と呼ばれる僧たちから広まった「渡唐天神」の像では、道真公が梅の小枝を持つ姿が定番だったのです。
天神さまのシンボルとして定着した梅の花は、現代にも受け継がれ、冬の参拝に彩りを添えてくれています。