秋から冬へ。だんだんと寒々しい景色になっていくころに、ハッとするほど鮮やかな花で楽しませてくれるのがサザンカとツバキです。どちらも日本原産の植物で、古くから庭木として親しまれてきました。
サザンカはツバキより開花が早く10月から11月ごろ。ツバキは11月から4月ごろまで花を咲かせます。サザンカとツバキの見分けをつけるのは難しいものですが、真冬に花をつけているのはツバキだと覚えておけばよいでしょう。
ツバキはとても寿命の長い木です。
名古屋の都市部にありながら、深く鬱蒼とした鎮守の杜を持つ熱田神宮(あつたじんぐう)には、樹齢300年以上と伝わるツバキの銘木があります。
「太郎庵椿(たろうあんつばき)」と呼ばれるこのツバキは、江戸中期の高田太郎という茶人が愛好したことからその名がつけられました。
その樹齢にも変わらず、開花は11月から3月まで。冬の間中元気に花を咲かせています。
3月になれば、西楽所の北にある梅の木「ならずの梅」とあわせてお花見が楽しめます。