東京・池袋駅から特急レッドアロー号で約80分。
秩父駅のロータリーを出て左を向き、道の先にこんもりとした森のように見えるのが秩父神社(ちちぶじんじゃ)です。
創建は約2100年前。
『延喜式』にも記録が残る、関東屈指の古社であり、武蔵国が成立する前に栄えた知知夫国の総鎮守として、この地を見守ってきました。
2013年に劇場版も公開された秩父を舞台にしたアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』こと「あの花」にも登場したのでアニメ好きの方にも馴染みがありそうですね。
現存する社殿は、天正20年(1592年)に徳川家康公が寄進したもの。埼玉県の重要文化財にも指定されている社殿には、家康公を祀る日光東照宮のような極彩色の彫刻がちりばめられています。
寅年、寅の日、寅の刻生まれの家康公にちなんだ虎や、名工による龍、三猿など、さまざまな動物たちが描かれ、ていねいな説明書きがそえられているので、思わず見入ってしまいます。
参拝の余韻にひたりながら一の鳥居をくぐれば、お目当ての安田屋は、御花畑駅方面に向かって徒歩3分ほど。
大正5年創業のお肉屋さんで、秩父地方の名物である肉の味噌漬けを販売しています。
味噌漬けは、冷蔵庫の無い時代に秩父の山でとれた獣肉の保存のために重宝されていたのが、一般に広まったものだと言われています。
安田屋以外にも豚の味噌漬けは販売されていますが、牛やイノシシの味噌漬けを作っているのはここだけ。
調理済みの味噌漬けはないため、持ち帰って食べることになりますが、メンチカツやハムカツなどその場で食べられる揚げ物も密かな人気メニューになっています。
先代から引き継いだ秘伝のタレに漬けたという味噌漬けは、焼いてみるとしっかり味がしみ、肉の旨味と味噌が相性抜群。
上品な甘みがあり、贈答用にも喜ばれそうな味わいでした。
お取り寄せもできますが、店舗では1枚ずつのばら売りをしてもらえるので、参拝帰りに立ち寄ってみてください。