万葉の時代から親しまれてきた藤の花
毎年、GWに見頃を迎える藤の花。今年も各地から開花のニュースが続々と発信されています。 藤は、木に巻き付いてツルを伸ばすつる性落葉木本。 可憐にしだれる繊細な花は、昔から愛でられており、万葉集には藤の花を歌った多くの首が残されています。 「霍公鳥 来鳴き響もす 岡辺なる 藤波見には 君は来じとも」 (ホトトギスが来て鳴き声が響いている。そんな丘に咲く藤の花を見に、あなたは来ないというの?) これは、万葉集の巻10に納められた作者不明の歌。 万葉集では、ほとんどの首で藤の花は「藤波」と表現されています。しだれる花が風にそよぐ様子は確かに波のよう。 恋しい人に横に居て欲しいと願うほど、美しい景色が思い浮かびます。
天下一の「藤波」が堪能できる、 尾張津島の藤
天下一の藤とうたわれるのは、愛知県津島市の津島神社(つしまじんじゃ)からほど近い天王川公園の藤棚です。 津島神社は、江戸時代まで津島牛頭天王社と呼ばれていた、全国3000社の天王社の総本社。 織田信長・豊臣秀吉・尾張徳川家の篤い崇敬を受け、秀吉寄進の楼門などすばらしい神社建築が境内随所に見られます。 天王川公園へは、津島神社から徒歩5分ほど。 藤棚の面積は5034m²、12種類114本が競演するようすは圧巻です。 お日様の光を浴びて淡く輝く藤の花が、風を受けてどこまでもそよいでいく様子は、「藤波」という言葉がぴったり。 5月5日までは藤まつりも開催されており、夜間のライトアップも楽しむことができます。
藤の花が咲く神社
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