2013.01 ひと足早い春に会いに 天満宮で梅のお花見
北野天満宮の梅園は、梅見の名所。美しく剪定された木々は雅やかな京都の春を感じさせてくれます。
梅を愛した学問の神さま
「天満宮」や「天社」などの名前を持つ天神信仰の神社には、梅の名所がたくさんあります。 それは、御祭神の菅原道真公と梅にまつわる物語が残されているため。 菅原道真公は、幼少のころから神童といわれ当時の最高学府を経て右大臣にまでのぼりつめたところ、出世をねたまれて罪を被せられ都・京都から太宰府へ左遷させられる、という悲劇の人生を歩んだ人物でした。 この道真公が都を去るときに詠んだのが、梅の花にまつわる和歌。 東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ 京都五条にあった邸宅には、梅が植えられていました。道真公は、可憐な花と香りを愛でて毎年の春を感じていたのでしょう。都での今までの暮らしへの思いが梅に込められて、切ない気持ちが伝わってきます。
太宰府天満宮の飛梅。老木とは思えないほど、たくさんの花を付けて春を知らせてくれます。
太宰府天満宮には、 飛梅伝説が伝わる樹齢1000年の梅の木が
復権を遂げられず貧しいなかで亡くなった道真公は、北野天満宮(きたのてんまんぐう) 、太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう) で御祭神に祀られ、天神信仰が広がることになりました。 どちらも梅の名所で、北野天満宮は約2万坪の敷地に50種1500本の梅が植えられ、太宰府天満宮では「飛梅伝説」を持つ樹齢1000年といわれる飛梅を見ることができます。 「飛梅伝説」は、「東風吹かば〜」で詠まれた梅の木が、京都五条の庭から主人を慕い遠く太宰府まで旅をし、その日のうちにその地に降り立ったというもの。 道真公自らが植えたとも考えられる、梅の老木は今も元気に枝を伸ばしています。
梅が咲く神社
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