2010.05 可憐な姿に恋を願って アヤメ・カキツバタ・ハナショウブのお花見
選びがたいほど美しい。 そんな女性になってみたい!?
「いずれアヤメかカキツバタ」ということわざがあります。大辞泉によると
「《アヤメとカキツバタは似ていて区別がつきにくいところから》どちらも優れていて優劣がつけにくいこと」
という意味だそう。
ステキな女性が2人いてどちらも選びがたい、そんなときに生まれた言葉なのでしょうか?語源は諸説有りますが、その美しさが昔から愛でられていたということは確かなようです。さて、アヤメやカキツバタの美しさを見習うべく5月の花神社で紹介するのは「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」のお花見。
「菖蒲」と書いてアヤメとも読むことがあるように「アヤメ」と「ハナショウブ」は区別されていなかった時代もあったようです。「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」は、ことわざ通り、区別がつけにくい花だと言われています。
一番簡単な見分け方は、葉の真ん中の線「主脈」の太さ。アヤメの主脈は薄く不明瞭で、ハナショウブの主脈は細め、カキツバタはしっかりと太い主脈が通っています。
ちなみに、5月5日の端午の節句で湯船に浮かべる「ショウブ」はショウブ科、「ハナショウブ」はアヤメ科で、まったく別モノ。少々ややこしくはありますがおでかけ前に覚えて、一緒に行く人にうんちくを披露してみてはいかがでしょうか?
古の京都の景色に会える 大田神社のカキツバタ。
ハナショウブやカキツバタが見られる神社は全国に多々ありますが、なかでも一度は訪れてみたいのが京都の大田神社(おおたじんじゃ)。見頃は5月上旬から中旬。開花シーズンを迎えると、神社の東側にある「大田の沢」に野生のカキツバタが2千平方メートルにもわたり咲き誇ります。
「神山や大田の沢のかきつばた
ふかきたのみは色にみゆらむ」
<大田の沢のカキツバタに深くお願いする恋(色)は、カキツバタの色のように一途で美しく可憐なことだろう>
平安時代の和歌の大家として知られる藤原俊成が、この歌を詠んだのは1190年。およそ、900年もの間カキツバタはこの沢で咲き続けてきたことになります。古代、湖だった頃の京都の植生を残していることから1939年(昭和14年)には国の天然記念物にも指定。雑木林に囲まれた大田の沢に立てば、京都が平安京として栄え、まだ自然が豊かだった時代が思い浮かんできそうです。
アヤメ、ハナショウブ、カキツバタの咲く神社
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