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特集 vol.294
日本のモン・サン・ミッシェル
神々が宿る島、
壱岐島の小島神社へ
壱岐島には、神社庁に登録されている神社だけで150社以上も!なかでもとりわけ神秘的なパワースポット、海に浮かぶ「小島神社」を訪れました。

幻想的なパワースポット「小島神社」って?


海に浮かぶフランスの聖堂モン・サン・ミッシェルみたいな場所が、日本にもあるらしい。そんなウワサを聞いて目指したのが、長崎県の壱岐島にある小島神社(こじまじんじゃ)です。
壱岐島は玄界灘にある離島。古代船が往来した大陸からの玄関口で、中国の歴史書『魏志倭人伝』にも「一支国(いきこく)」と記されています。さらに『古事記』の国生み神話にも、5番目にできた島として登場。それだけに神社の数も多く、小さな祠まで含めると千以上もの神域が存在します。そんな壱岐島のなかでも、小島神社はとりわけ幻想的で強力なパワースポットとして人気です。
博多港から芦辺港までは、高速船で1時間5分。さらに車で約10分走ると、内海湾(うちめわん)にポッカリと浮かぶ小さな島が見えてきます。これが小島神社です。およそ400年の歴史があり、御祭神は素盞嗚尊(すさのおのみこと)やその母神である伊弉冊尊(いざなみのみこと)など。恋愛成就や縁結び、商売繁盛、開運などの御神徳で知られています。


海に浮かぶ、満潮時の小島神社。鳥居も水の中へ。
写真提供:(一社)壱岐市観光連盟

悔いのない参拝の秘訣は、万全の準備


社殿まで辿り着けるのは、干潮時刻の前後1時間程度だけ。潮位表を調べて参拝計画を立てましょう。参道が現れる回数や時間の長さは、大潮小潮などによっても変わります。島に長く滞在したいか、参道が海に沈む姿を見たいかなど、目的に応じて参拝プランを練ります。小島神社は日の出の美しさも評判のスポット。朝焼けに包まれる神々しい小島神社は実に幻想的。早起きしてぜひともその姿を目に焼き付けたいところです。
特殊なロケーションだけに、持ち物の準備も欠かせません。参道は潮がひいても濡れています。滑りやすいところもあるので、水濡れOKの滑りにくい運動靴でおでかけを。両手が使えるよう、荷物はコンパクトにまとめておくのがオススメ。いざという時のためにタオルも準備しておくと安心です。


月の引力に導かれ、たった数時間のみ現れる参道はなんとも神秘的!

参道が現れたら、いざ出発!


参道が姿を現したら小島神社へ。ついさっきまで海中だった参道には、逃げ遅れたカニやナマコなどの海中生物も。めずらしいカブトガニやアマモも生息している内海湾。どんな生き物に出会えるかワクワクします。小石がゴロゴロ落ちていて、あちこちに潮だまりも。濡れてもOKのスニーカーを選んで大正解です。
恋が叶うとウワサのハートのストーンを探しつつ約150mの参道を渡りきるまでおよそ5分。島に到着すると鳥居があり、そこから先の島全体が神域です。この島からは小枝1本、小石1つ、持ち出すことはできません。厳かな気持ちで一礼して鳥居をくぐり、右まわりで島の裏側へ。すると、別の鳥居が見えてきます。この鳥居が社殿への道の目印です。


島のちょうど裏側あたりにある鳥居。

社殿に続く道は、細い坂道。階段がありますが、崩れかけているところも。手すりにつかまり、足元に気をつけながら登ること2〜3分。頂上に、こぢんまりとした社殿が見えてきます。


階段が崩れかけているところもあるので、足元に気をつけながら手すりを使って進みます。

潮風にさらされた社殿は、趣のある佇まい。自然のパワーを感じつつ心を込めて祈りを捧げたら、社殿前のベンチでひとやすみ。波ひとつない、静かな内海湾を眺めていると、心も穏やかになるようです。


ついに頂上のお社に到着!ベンチがあるので、ひとやすみして内海湾を眺めるのも◎。

海を一望できる社殿の前で心洗われる時間を満喫していると、そろそろ潮が満ちてくる時間に。帰りは行きとは別の道を通り、島をぐるりと一周。こちらのルートはさきほどの道より段差や潮だまりが多く、少し歩きにくいところも。参道に到着すると、少し潮が満ちてきてしまっていました。うっかり長居し過ぎてしまったようで、足が濡れるハメに。持参していたタオルが活躍しました。

御朱印は小島神社から車で10分ほどの寄八幡神社(よりはちまんじんじゃ)へ。宮司さんはほかにも多数の神社を兼務されているので、事前に寄八幡神社(TEL.0920-45-1263)へ電話をして、予約をしましょう。書き置きの御朱印やお守りなどは「株式会社 壱岐の華(TEL.0920-45-0041)」、「島の駅 壱番館(TEL.0920-45-0415)」「カキハウス内海湾(TEL.090-8417-5222)」でも授与していただけます。