これだけは知っておきたい神社のこと・神社の情報・検索サイト 神社.com


特集 vol.282
水も緑も!避暑スポットがたっぷり
とっておきの「涼」神社〜東京編
鳥居をくぐると感じるキリッと冴えた神聖な空気。緑や水も豊富な神社は、とっておきの「涼」スポットです。夏ならではの楽しみがある神社へ参拝してみませんか。

【東京・檜原村/九頭龍神社】
滝めぐりでパワーを充電!


涼を感じるものといえば、やはり水ではないでしょうか。特に大自然の神秘的な力を感じられる滝は、夏にぜひとも訪れたいスポットのひとつです。
参拝ついでに滝めぐりもできる神社があります。檜原村の九頭龍神社(くずりゅうじんじゃ)です。檜原村は、島以外では東京唯一の村。秋川の源流の里で、たくさんの滝に恵まれたエリアでもあります。
九頭龍神社があるのは秋川渓谷最上流の森の中。JR武蔵五日市駅からバスや車で約1時間かかります。駐車場を利用したい場合は社務所へ連絡を。社務所は、神社へ向かう約500m手前の「古民家の宿 山城」にあります。御朱印やお守りを授けていただきたい場合もこちらへ立ち寄りましょう。


9月の例祭では、数百年の伝統を持ち、東京都の無形文化財にも指定されている太神楽、三匹獅子などの奉納も。

九頭龍神社は龍神さまをお祀りしている神社です。武蔵五日市方面から神社へ向かう途中には「龍神の滝」があります。さらに神社から西におよそ200m、徒歩数分の場所には「九頭龍の滝」が。神社建立後、参拝者が滝に打たれて身を清めるようになったことから「九頭龍の滝」と呼ばれるようになったといわれています。心願成就のパワースポットとしても知られ、芸能人やスポーツ選手などの著名人も訪れるそうです。
さらに「東京都檜原都民の森」方向へ進むと、緩やかな傾斜の岩肌を滑るように「夢の滝」や「菅平の滝」、都内最大落差の滝「三頭大滝」も。参拝ついでに思う存分滝めぐりも楽しむなら、車移動がおすすめです。


落差10m、2段からなる「九頭龍の滝」。緑の中の岩場を流れる滝を眺めていると、心身ともに浄化されるような気分が味わえます。

【東京・青梅市/武蔵御嶽神社】
ハイキングも兼ねて参拝


定番の避暑スポットといえば、山もそのひとつです。標高が高い分気温も低く、豊かな自然に心が癒されます。
子どもからお年寄りまで気軽にハイキングを楽しめることで人気の御岳山にも、神社があります。武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)です。御岳山は、古くから山岳信仰の対象でもありました。武蔵御嶽神社があるのは、まさに山頂。標高929mです。参拝時の天候にもよりますが、関東一円を見渡すことができたり、雲海を見られたりすることもあり、天空にいる気分を味わえます。境内の大口真神社(おおくちまがみしゃ)は「おいぬ様」とも呼ばれ、オオカミをかたどった狛犬が鎮座しています。「おいぬ様」だけにペット同伴の参拝もOK。ケーブルカーも犬の同乗が可能で、愛犬家にも人気の神社です。


創建当時は南向きに建てられていましたが、江戸時代に徳川家康が江戸城守護のため東向きに改めたそう。現在も山頂から東京を見守るように建っています。

四季折々さまざまな植物に出会えるのも、御岳山の魅力です。ケーブルカー御岳山駅から神社までの道中には、夏に見頃を迎えるレンゲショウマの群生地も。可憐で上品な花に出会えます。参拝前後は周辺散策をお忘れなく!
御岳山にもいくつかの滝がありますので、体力と時間に余裕のある方は足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。武蔵御嶽神社では、時期によっては予約制の修行体験講座も開催しており、滝行や山駆けなども体験できるそうです(感染症の流行状況によっては中止になる場合もあります)。興味がある方は公式サイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。


7月下旬から8月頃、斜面に数万本のレンゲショウマが花を咲かせます。花のサイズは3~4cm。控えめに下を向いて咲く、可憐な花です。
(C)写真AC 雄太さん

【東京・港区/乃木神社】
森林浴+αの涼を都心で


暑さで疲れを感じたときには、木陰でひと休みしたいものですよね。
港区赤坂にある乃木神社(のぎじんじゃ)は、都会の真ん中とは思えないほど、豊かな緑に囲まれています。
人気アイドルグループのメンバーが初詣や成人式に参拝することで、アイドルファンの聖地にもなっています。地下鉄乃木坂駅から徒歩1分、良縁祈願神社としても人気の神社です。それもそのはず、御祭神は乃木将軍・乃木大将の呼び名で知られる乃木希典命とその妻・乃木静子命の夫婦神。夫婦神をお祀りしている神社だけに、結婚式を挙げる人も多く、宴席の会場を備えた乃木會館もあります。さらに隣接する乃木公園は、生前の乃木将軍邸の敷地の一部で、邸宅も保存されています。普段は建物内には入れませんが外観を見学でき、見どころ満載です。


都会の真ん中とは思えないほど豊かな木々が。社殿は昭和20年(1945年)の東京大空襲で焼失。現在の社殿は、昭和37年(1962年)に再建されたものです。

乃木會館と本殿をつなぐ赤い絨毯の敷かれた回廊は、夏季限定で「つれそひ風鈴回廊」に。形や色の異なるたくさんの風鈴が飾られます。さらに2021年は、かざぐるまも登場。風を受けてクルクルまわるかざぐるまと、涼しい音色を奏でて揺れる風鈴のコラボレーションが、ノスタルジックな夏のひとときを楽しませてくれます。
期間中限定で、つれそひ風鈴回廊をモチーフにした御朱印もいただけます。夏の参拝のすてきな思い出になりそうです。
現在は感染症対策のため休止中ですが、回廊沿いには日本庭園ならではの装飾「水琴窟(すいきんくつ)」も。「水琴窟」とは、手水鉢からひしゃくで水をすくって筒に流し、地中に埋められた甕のなかで水音を反響させることで、琴のような音が聞こえるしくみ。水の音に耳を澄ませる風流なひとときは、暑さを忘れさせてくれそうです。


連なる風鈴が映える、赤い絨毯が敷かれた回廊。レトロモダンな雰囲気です。