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特集 vol.266
2020年はどうなる?
人気酉の市をチェック!
激動の年となった2020年。こんなときだからこそ「福をかっこむ」熊手を求めて酉の市へ。コロナ対策や開催時間など、例年と違う酉の市の情報をまとめてお届けします!

2020年の酉の市はココが違う!


粋でいなせな酉の市。活気あふれる縁起熊手の値切り交渉が醍醐味です。
酉の市を行う神社では、多くの場合はヤマトタケルノミコト(日本武尊)を御祭神としています。酉の市発祥の地とされる神社は複数ありますが、台東区の鷲神社ではヤマトタケルノミコトが東征の戦勝のお礼参りに訪れた日が酉の日だったと伝わり、足立区の大鷲神社ではヤマトタケルノミコトの命日が酉の日だったと伝わっています。
2020年の酉の市は、11月2日、11月14日、11月26日と「三の酉」まで。感染症対策が欠かせない状況ではありますが、こんなときだからこそ「福をかき集める」縁起熊手をゲットしたいもの。各神社では2020年も酉の市を開催すべく、さまざまな対策をしているようです。


良縁や福を招く「招き猫」、金運アップの「小判」など、たくさんの縁起物が飾られた熊手は「福をかっこむ」のにぴったりです。

検温やマスク着用の推進、御朱印は書き置きとするなど、日頃から感染症対策を行なっている神社は多いですが、多くの人出が予想される酉の市では、各神社とも特に注力しています。
たとえば、毎年多くの人で賑わう東京・台東区浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ)では、密を避けるために境内への入場制限を設けています。2020年は往復はがきによる事前申込制となり、返送された「入場証」がないと境内へ入ることができません。境内内の人数を1000人に制限するため、入口は神社正面の1箇所に。参拝には、入口での検温とマスクの着用が条件となるほか、接触確認アプリCOCOAのダウンロード、健康チェックシートへの記入も必要です。また規模も縮小。熊手店は例年の半数程度の出店となり、手締めの掛け声や祝い酒の振る舞いも中止となります。


東京・台東区の鷲神社の酉の市は、長國寺とともに神さまと仏様にお参りできる「神と仏の酉の市」として親しまれています。

露店の出店を熊手商のみに限定することで、酉の市のハイライトを楽しめるよう工夫をしたのが、東京・府中市の大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)。こちらも毎年多くの人で賑わう神社だけに、開催時間を短縮し、開門6時、閉門21時とするそうですが、9時から熊手市も行われます。


東京・府中市の大國魂神社の拝殿。酉の市は、末社の大鷲神社の例大祭です。
(C)写真AC Mr.アルプさん

“密”を避けて、限定授与品も頒布


独自の工夫をしている神社もあります。
東京・港区麻布の十番稲荷神社(じゅうばんいなりじんじゃ)です。こちらの神社では、例年は酉の市の日限定で授与される熊手を、2020年は11月1日〜30日まで毎日頒布。大きい熊手は予約制とし、特に3万円の熊手と5万円の熊手は完全予約制となります。毎日頒布となる限定授与品は、熊手だけではありません。福財布や小判などの御守も、例年は酉の市の日限定の授与品となっていますが、こちらも11月中は毎日授けていただけるそうです。ただし「獲得の御守」は午の日と酉の日のみなので、ご注意を。また残念ながら2020年は酉の市限定御朱印が中止となるそうです。なお屋台の縁起熊手は酉の市の日のみとなりますので、お気をつけください。


「がま池伝説」ゆかりの東京・港区の十番稲荷神社。火伏せの守神「かえるさん」の石像も必見。
(C)写真AC 源五郎さん

東京・目黒区の大鳥神社(おおとりじんじゃ)では、HPで混雑時間予想を発表。「すいている」「やや混雑」「混雑」の3段階でわかりやすく紹介しています。こちらの情報によると、もっとも混雑しそうなのは18時から20時で、8時から10時くらいが比較的すいているようです。HPでは、一の酉、二の酉、三の酉と各日の混雑時間予想を出しています。おでかけする日が決まったら、ぜひHPで混雑時間予想を確認してみてください。例年授与されている酉の市限定御朱印は、2020年も書き置きでいただけます。


東京・目黒区の大鳥神社で、江戸時代から続く歴史ある酉の市を体験!

そのほかにも縁起熊手の郵送を積極的に取り入れる神社などもあり、各神社で酉の市を盛り上げるべく、さまざまな工夫を凝らしているようです。




東京・豊島区雑司ヶ谷の大鳥神社のご神紋は福包み。お賽銭箱もインパクト大! 頒布される熊手守は、ご神紋にちなみ、福包みつき。(写真は2018年のものです)

ローカルな酉の市にも
注目を


酉の市の縁起熊手は、毎年少しずつ大きなものにしていくのがお約束です。値段の低い熊手では手締めをしてもらえないこともあるようですが、常連さんには値段関係なく手締めをしてくれるというケースも多いようなので、毎年同じ神社の酉の市を訪れるのもおすすめ。大規模な酉の市だけでなく、毎年通いやすいご近所の「おとりさま」にも注目してみてはいかがでしょうか。混雑もほどほどなので、“密”も避けられ、一石二鳥のお参りとなりそうです。
酉の市を開催することで知られている神社としては、東京・足立区の大鷲神社(おおとりじんじゃ)、東京・豊島区の大鳥神社(おおとりじんじゃ)、東京・練馬区の練馬大鳥神社(ねりまおおとりじんじゃ)、東京・葛飾区の葛西神社(かさいじんじゃ)などがありますが、いずれの神社でも2020年も熊手店の出店があるそうです。
また地域によっては開催時期や名称が異なることも。たとえば、北関東では12月の酉の日に開催する神社も多く、埼玉県では川口市などを中心に「おかめ市」とも呼ばれています。

2020年の酉の市では露店出店の中止や規模縮小を計画している神社も多く、なかには熊手の露店も出ないこともあるようです。その場合は、神社の熊手守をチェックしてみてはいかがでしょうか。神社により特色がある熊手守もあり、毎年同じ神社で熊手守の授与を受けているという“熊手守ファン”もいるのだとか。

なお、コロナウイルス感染症の流行状況によっては、ご紹介した酉の市も含め、開催内容が変更になったり中止になったりするかもしれません。おでかけの際は、公式HP等で最新情報をご確認ください。参拝の際は、マスク、検温、手指消毒などの感染症対策もお忘れなく!