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特集 vol.252
全国から厳選ピックアップ!
交通安全の神さま5選
新生活やおでかけシーズンのスタートにあわせて参拝しておきたい、交通安全・旅行安全の御利益がある神社。京都、東京、広島、福岡から5つの神社をご紹介します。

【京都・伏見区/城南宮】
遠出、引っ越し前に参拝したい「方除の大社」


名神・京都南ICから近くアクセスも抜群。その名の通り「平安城の南」にあり、引っ越しや家相、工事などの際の方除け・厄除けの神社として知られるのが城南宮(じょうなんぐう)です。方除けとは、行き先などの方角が悪い場合、まつわる災いを祓いよけること。
平安時代後期、城南宮は白河上皇や鳥羽上皇により城南離宮が造営され、鎮守の杜となり信仰が高まりました。このころ朝廷・公家の間で流行したのが熊野詣。往復で約1か月におよぶ道中祈願が重ねられたため「方位除け」の神社として仰がれるようになりました。


車両の安全祈願の受付は毎日9:00〜16:00まで。交通安全祈願殿をはじめ本殿などでおこなわれます。

交通安全祈願殿では車のほか、自転車やバイク、バス・トラックからジェットスキー、レース車両、電動シルバーカーまで年間約8000件の御祈祷をおこないます。評判は、御祈祷を受けると授かることができる授与品。ステッカータイプの貼札、吸盤付きの御札、鳳凰の柄が描かれたストラップ。そして、車の形をした紅白の切り麻(ぬさ)が入った清めの御砂が授与されます。この御砂を駐車場にまくことで、車両の居所を清めることができます。


貼札ステッカーのみの初穂料は800円。太陽・月・星の三光の神紋が描かれキラキラ光っています。

【東京・大田区/羽田神社】
空の旅の前に航空安全を祈願


東京の空の玄関口・羽田空港を含む羽田全域の総鎮守が羽田神社(はねだじんじゃ)。場所柄、パイロット、キャビンアテンダント、航空管制官、整備士など航空にたずさわる人たちの崇敬が篤く、航空安全や旅の安全を祈願する参詣者が多い神社です。
飛行機の柄が描かれた御守りは、肌身離さず持ち歩けるようにと少し小さめのサイズ。スマホや財布につけるストラップタイプの飛行機型の御守りが特に人気があり、飛行機が描かれた御朱印目当ての参拝者も多く訪れます。


飛行機柄の航空安全御守は初穂料700円。ストラップタイプの航空安全旅行安全守は500円。

毎年約3万人以上が集まる夏季例大祭には、JALやANAのキャビンアテンダント10数名がボランティアで参加。プロのサービスでドリンクの配布を行うなど、航空業界に所縁が深い神社ならではの風景が見られます。


人気の御朱印帳「青空フライト」は御朱印込みで初穂料1500円。

【広島・廿日市市/速谷神社】
山陽道や関門海峡を通るなら、マストで参拝!


広島では「車を買ったら速谷さん」といわれ、遠く関西や九州からもドライバーが訪れる速谷神社(はやたにじんじゃ)。古来、九州へ向かう多くの旅人が道中の安全を祈願するために立ち寄ったことから交通安全の神さまとして長く親しまれてきました。御祭神は、安芸国を拓いた大神・飽速玉男命(あきはやたまおのみこと)。車祓所でお祓いを司る祓戸大神(はらえどのおおかみ)を祀ります。


参拝者でにぎわう境内。御守りは、バイクの絵がついたカード式の2輪用守600円が人気。

畿内と九州を結ぶ大動脈で、江戸時代は参勤交代に使われる重要な街道でもあった山陽道近くに鎮座し、現在では山陽自動車道宮島SAスマートICからすぐという好アクセス。
毎年1月7日には交通安全に特化した神事「交通安全大祭」がおこなわれます。世の中すべての交通安全を祈願するという神社としては珍しい大祭で、毎年多くの参拝者が愛車や社用車とともに訪れます。


専用の社殿前でおこなう車祓い。バイク愛好者や地元大学のサイクリング部も列をなして速谷さん参りにやってきます。

【福岡・宗像市/宗像大社】
「道」を司る最高神を祀る、世界文化遺産登録の神社


今では当たり前になっている車内専用の御守りの授与をはじめたのが、皇室国家の守護神として『古事記』『日本書記』の日本神話にも登場し、世界文化遺産にも登録されている宗像大社(むなかたたいしゃ)。御祭神の宗像三女神は道主貴(みちぬしのむち)とも呼ばれ、海上・船舶・交通はもちろんのこと、武道・華道・茶道などあらゆる「道」を司る最高神としても人々の崇敬を集めてきました。


昭和初期の車祓いの様子。「交通安全の宗像大社」として広く北九州地域の人々が祈願に訪れます。

宗像大社における交通安全祈願のルーツは大和朝廷ごろ。朝鮮への渡航がはじまったころにまでさかのぼります。その後明治近代における鉄道や周辺の海を航行する船舶、町を守る消防車、そして自動車と時代の移り変わりとともに、長く宗像の地の人々の交通安全を祈願してきました。自動車のお祓いが一般的になってきた昭和初期、車内におまつりする自動車専用の御守りを全国に先駆け授与をはじめたのが、宗像大社といわれています。


絹の錦袋に包まれた水引守は、初穂料3000円、小は1200円。1963年当時から親しまれてきた変わらないデザインです。

【東京・国立市/谷保天満宮】
日本の交通安全祈願はここが発祥!


関東三大天神のひとつに数えられる、谷保天満宮(やぼてんまんぐう)。ここは、自動車を対象とした交通安全祈願発祥の地、と呼ばれています。
そのいわれは明治41年(1908年)、有栖川宮威仁親王(ありすがわのみやたけひとしんのう)が「遠乗祭」と称して、日本初のガソリン自動車によるドライブツアーを開催し、その目的地を谷保天満宮にしたことから。宮様ご一行の車は、東京にまだ自動車が20台しかなかったうちの11台を連ねて日比谷公園を出発され、神社に到着後、梅林でお茶会を開き「日本に自動車をどのようにして普及させるのか」という議論を交わしたとされています。一行は神社で安全と自動車産業の発展を祈願し、帰り道は故障や事故なく無事に戻られました。


車のお祓いほか、交通安全の絵馬やステッカーの授与もおこなう谷保天満宮。

この日本初のドライブツアーを再現する形で、神社で毎年開催されるようになったのが12月におこなわれる旧車祭です。境内ほか、谷保駅近くに数か所会場が設けられ約180台の古い車、珍しい車が展示され多くの人でにぎわいます。


古い車、珍しい車の愛好家が集結する谷保天満宮の一大イベント「旧車祭」は毎年12月に開催されます。