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特集 vol.230
一度は行きたい
一宮さんぽ〜関東編A
全国の一宮を紹介するシリーズ企画。関東編の第2弾では、利根川を挟んで相対して鎮座する常陸国・下総国の一宮に注目!

人生の大勝負に出る前に参拝したい、二つの一宮


鹿島神宮(かしまじんぐう)と香取神宮(かとりじんぐう)は、勝利・成功へと導く開運力で人気の神社です。それもそのはず、二社の御祭神はともに武神。しかも日本神話最強の「勝利のコンビ」なのです。鹿島神宮の御祭神は武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)、香取神宮の御祭神は経津主大神(ふつぬしのおおかみ)。『日本書紀』には、この二柱の神さまがそれまで失敗を重ねてきた「オオクニヌシからアマテラスへの国譲り」を見事成功させたという神話が載っています。御祭神が協力しあった間柄だけに、二社には深〜い関係があります。
二社とも創建は神武天皇の時代。平安時代から「神宮」の称号で呼ばれていたのはこの二社と伊勢神宮だけ、という由緒正しき古社です。
また、ともに御祭神が海からやってきたという言い伝えがあり、水中や水辺に一の鳥居があります。鹿島神宮の東の一之鳥居と香取神宮の津宮浜鳥居です。どちらもかつては船で参拝に訪れる人々の玄関口でした。江戸時代には息栖神社とあわせて参拝する東国三社巡りが流行。強力な開運パワーがあるとされ、現在でも人気です。
さらに境内に埋まっている要石。地震を起こす大なまずの頭尾を鹿島神宮と香取神宮の要石がおさえているとも、両者の石が地中でつながっているとも伝えられています。
驚きのシンクロ率を誇る、鹿島神宮と香取神宮。セットで訪れて、最強の勝負運をGETしてはいかが?


川辺に佇む姿は、まさに入り口! いかにも神さまがやってきそうな趣のある香取神宮の津宮浜鳥居。

幻想的で神秘的なスポットの多い、鹿島神宮


東北・関東を中心に全国に約600社ある鹿島神社。その総本社が茨城県にある常陸国の一宮、鹿島神宮です。
御祭神の武甕槌大神は雷神かつ剣の神。「国譲り」の神話では、オオクニヌシの子で力自慢の国つ神タケミナカタを力比べで圧倒したといわれ、この力比べが相撲の起源とも伝えられています。そんな武甕槌大神をまつっている鹿島神宮は、人生の転換期や試験、大きな仕事の前など、勝負運が必要なときに訪れたいパワースポットです。
日本三大楼門のひとつに数えられている重要文化財の楼門、境内で最もパワーが強いと噂される奧宮のほか、多くの貴重な植物が群生する県指定天然記念物の鎮守の森、大人が入っても子どもが入っても胸までの深さといわれている不思議な御手洗池など、神秘的で美しい場所がたくさんあります。
12年に一度、午年にのみ開かれる御船祭は、内海の御船祭としては最古で最大の祭典。武甕槌大神の御分霊をまつった御神輿を載せた大船団が、水上で香取神宮の神職を乗せた船団に歓待を受け、再び鹿島へと戻ってくる、絢爛豪華な水上祭です。前回は2014年だったので次の開催までまだかなり間がありますが、一度は見たいお祭りです。


まるで別世界!水底が見渡せるほどに透明度が高く幻想的な御手洗池。

強力なパワースポットとして人気の奥宮は、徳川家康の命により建てられたもの。苔むした屋根に歴史を感じます。

緑に包み込まれた香取神宮で、静寂を味わう


香取神宮は関東を中心に全国に約400社ある香取神社の総本社。下総国の一宮です。千葉北部に位置し、亀の甲羅に似ていることから古より「亀甲山(かめがせやま)」と称されてきた丘陵の上にあります。自然に囲まれたこの神社には静寂をもとめて訪れる参拝客も多く、心を落ち着けて自分を見つめるのにぴったりです。
御祭神の経津主大神は、『古事記』には登場しませんが、『日本書紀』では最強の武神として描かれています。ですから鹿島神宮と同じく、勝負運を授ける強いパワーを持つと言われています。緑に囲まれた空間にそびえ立つ鮮やかな朱の楼門は、この神社のシンボル的存在。対して、本殿は黒漆塗りで、最強の武神にふさわしい重厚な雰囲気。国の重要文化財にも指定されています。経津主大神の荒御魂がまつられている奥宮は、発展成長のパワーを持つ、特に強力な開運スポット。樹齢千年を超える御神木や心願成就の三本杉、表参道の曲線に立ち並ぶ石燈籠など、見所満載です。境内から少し離れていますが、多くの文人墨客訪れたかつての表参道口、津宮浜鳥居も一見の価値があります。


楼門は香取神宮のシンボル的な建物。本殿と同様に国の重要文化財となっています。東郷平八郎の筆による楼上の額もお見逃しなく!

本殿正面から繋げて建てられた拝殿は、昭和の大修築で造営。本殿同様、黒を基調とした重厚な建物に、極彩色の装飾で彩りを加えています。