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特集 vol.225
ここが聖地!
スポーツの必勝祈願神社
ラグビーワールドカップなど今年アツク盛り上がりそうな競技の必勝祈願神社に注目。“聖地”として選手もファンも参拝におとずれる神社を集めてみました。

サッカーの神さまは
熊野にあり


JFA財団法人日本サッカー協会に描かれたカラスのマークは日本神話に登場する八咫烏(やたがらす)。三本足のカラスとして知られ、和歌山県にある熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)・熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)・熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)の三社、通称熊野三山では神使とされています。
神武天皇のもとに遣わされ、熊野国から大和国への道案内をした導きの神さまであることから「ボールをゴールに導くように」と日本サッカー協会のシンボルに採用されました。
日本代表のシンボルとなったことから、「熊野三山はサッカーの聖地」として篤い崇敬を受けるようになりました。ファンの心をくすぐるのが、熊野本宮大社や熊野那智大社で授与されている日本サッカー協会のエンブレムが入った御守り。サッカーファンやプレーヤーならぜひとも肌身離さず身につけておきたいところです。


熊野本宮大社をはじめ、熊野三山の境内ではさまざまなところで八咫烏を目にすることができます。

熊野三山は熊野神社の総本山でもあるため、全国の熊野神社や熊野の神さまを祀る神社でも、サッカーの神さまとして参拝する人が多くなっています。
なかでも、もうひとつの聖地として知られるのが神奈川県横浜市港北区にある師岡熊野神社(もろおかくまのじんじゃ)。2002年に開催された日韓共催FIFAワールドカップのメイン会場である日産スタジアム横浜国際競技場の守り神であり、多くのサッカー関係者がお参りに訪れています。


師岡熊野神社は東急東横線大倉山駅から徒歩8分。取材でお話をうかがっていたときもちょうど女子のプロチームが御祈願に訪れていました。

日本サッカー協会公認のお守り。師岡熊野神社でも授与されていますが、2019年2月1日現在は品切れ中とのこと。3月には受けることができるようになるとのことでした。

京都・下鴨神社が
ラグビーの新たな聖地に


2019年はラグビーワールドカップを日本で初開催する、日本のラグビーファンにとって記念すべき年。そこで注目を集めているのが京都市左京区の下鴨神社(しもがもじんじゃ・正式名称は賀茂御祖神社 かもみおやじんじゃ)に2017年に再興されたさわた社(雑太社、澤田社)です。

下鴨神社もさわた社も、実はラグビーとご縁のある社。さわた社の隣にある「第一蹴の地」と書かれた石碑は、明治43年(1910年)に関西初のラグビーチームである旧制第三高等学校に創設されたことを記念するもの。さらに、第三高等学校と慶応義塾大生による日本初のラグビーの試合は、糺の森で開催されました。
また、さわた社の御祭神の神魂命(かんたまのみこと)は、下鴨神社の御祭神の賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)の先祖であり、蹴鞠やサッカーの神さま大伊乃伎命(おほいのきのみこと)の先祖でもあります。また、神魂命の「魂」は、「球」に通ずるとして、球技上達の御神徳があるといわれているそうなので、選手にありがたい御神徳がいただけそう。ラグビーボール形の絵馬もあり、新たな「ラグビーの神さま」として関係者やファンの心のよりどころとなっています。


原始の自然が残る糺の森のなかにあるさわた社。

さわた社のすぐ横には「第一蹴の地」の石碑が。旧制第三高等学校ラグビーチームのOBにより建立されました。


イノシシは、御祭神を守ったことから神社の神使となっています。

フィギュアスケート
ファンの祈願所、
京都・護王神社


「足腰の守護神」としてフィギュアスケートファンの聖地になっているのが京都市上京区の護王神社(ごおうじんじゃ)です。羽生結弦選手や宮原知子選手が参拝に訪れていることから、選手の怪我の回復や無事を祈願するために参拝するファンが多く訪れるようになりました。

足腰守護の御利益は、御祭神の和気清麻呂公(わけのきよまろこう)が、弓削道鏡(ゆげのどうきょう)に足の腱を切られ流罪になった道鏡事件に由来します。清麻呂公が流罪先へと向かう道中、どこからともなく現れたイノシシにより守られたこと、そののちに足の怪我も治ったと伝えられています。この故事から護王神社は「足腰の守護神」として崇敬されるようになりました。
護王神社は、全国の足腰の無事を願う人々が訪れているため、足腰守護の授与品の種類も豊富。神札、袋御守り、根付けなど何種類もあるので迷ってしまうほど。毎月21日の15時には足腰祭もおこなわれています。参列者は表門前の御千度車を回したのちに、足越しの大御守の下をくぐり足腰の健康を願うそう。
ちなみに護王神社の神使はイノシシ。狛犬ならぬ狛イノシシが出迎えてくれるので、亥年にあやかり参拝するのもおすすめです。


京都御所の西側、烏丸通沿いに建つ護王神社。