三峯神社(みつみねじんじゃ)は、自然豊かな秩父地方のなかでも特に山深い秩父多摩甲斐国立公園内に鎮座しています。神社があるのは、山道をぐんぐん登った先。標高1100mの頂付近にあるため「天空の神社」ともいわれています。
三峯神社の「白い氣守」は、フィギュアスケーターの浅田真央選手が持っていたことから人気に火が着きました。「氣守」とは、三峯神社の「氣」を分けるべく御神木を納めたお守りのこと。ふだんは、黒や赤などほかの色のお守りが授与されていますが、「白」は月のはじめの朔日(ついたち)参りでのみ授与される限定のお守り。「白」は太陽の光を表す神聖な色であり、再生や新しいスタートの色でもあることから、古くからの朔日参りの風習にあわせて、特別に奉製されたそうです。
「白い氣守」をいただくには、高いハードルがあります。それが渋滞。神社の駐車場が行き止まりの一本道のため、駐車場から1台車が出たら1台進むという、レストランの空席待ちのような状況になります。編集部が神社に続く山道へ到着したのは9時ごろでしたが2km手前の時点から、車の流れが完全にストップし駐車場に入るまでに1時間15分かかりました。計算してみると時速1.6km!歩くほうがよっぽど速いスピードです。土・日曜は、5時間以上渋滞することもあるようなので、食べ物、飲み物、暇つぶし用のDVDや本などを持っていくとよさそうです。
「白い氣守」をいただくには、先に引換券をもらう必要があります。券を配布しているのは、駐車場からのびる階段の先、白い鳥居の前あたりです。この日は行列もなく券をいただけたので、すぐに社殿に向かいました。
威風堂々とした随身門をくぐると杉並木の参道があり、その先が社殿です。拝殿前から参拝の長い行列がのびているので、手水を使ったあとは列に並んで参拝を。参拝後に拝殿前から人の流れに沿って左へ進むと、念願の「白い氣守」を受けることができました。いただいたお守りは、白木の箱入り。箱を開けると、真っ白できれいなお守りが入っていました。
その後は、触ると気をもらえるという御神木や、境内で唯一下界を見渡せる揺拝所など、境内のパワースポットをめぐって駐車場へ。最初の渋滞の待ち時間は長かったものの、境内は芋洗いのような混雑はありませんでした。訪れたのは平日なので土・日曜はもっと混むかもしれません。ただ、駐車場台数に限りがあるため、参拝者数も制限されているのでしょう。ゆっくりと境内を歩き、お守りも境内の「気」もいただける参拝となりました。
東京湾の一角をなす三浦半島の西側。深い入江になっている浦賀の港を挟んで東叶神社(ひがしかのうじんじゃ)と西叶神社(にしかのうじんじゃ)が向かい合っています。叶神社は、源氏の再興を願って石清水八幡宮から勧請されたのがはじまり。源頼朝により、その願いが叶ったことから叶神社と名付けられたと伝えられています。
現在では、その名前から願いが「叶う」神社とされ、願掛けする人が多くおとずれています。なかでも「縁結び守り」は、恋愛に限らずすべての縁を結んでくれるとされ、多くのメディアで取り上げられてきました。このお守りは、西の叶神社で中に入れる勾玉を、東の叶神社でお守りの袋をいただいて完成します。二社巡りは、どちらの神社からも海が見渡せるので、天気の良い日に訪れたいところ。編集部も、カラッと晴れた冬のある日に、まずは西叶神社から参拝してきました。
西の叶神社は、海から少し入った場所に社殿があるので、海沿いの鳥居を目印に神社へ向かいます。石段を上がった先にある社殿は、天保13年(1842年)に再建されたもの。彫刻師後藤利兵衛義光による見事な彫刻がほどこされています。参拝を終えて振り向けば、参道の先に海。海風に洗われているせいか、爽やかな空気が流れる神社でした。お目当てのお守りは階段を下りた先の授与所で頒布されています。授与所の女性には「東の叶神社で中に入れる勾玉をいただいてね」とやさしく教えていただきました。
東叶神社へのアクセスには浦賀の渡船を利用。その場に船がいなかったので、インターホンを押すとすぐに対岸からきてくれました。渡航時間は3分ほど。勝海舟を艦長とする咸臨丸は、浦賀を出航し日本人初の太平洋横断を成し遂げています。「勝海舟はこの海をどんな気分で通ったのかな」なんて考えているとあっという間に対岸に到着しました。
東叶神社は、船を下りると右手に見えています。浦賀城跡があった明神山の一角にあり、目の前はすぐ海が広がっています。参拝後にお守りを見に行くと、水晶、翡翠、めのうの3種類の勾玉が並んでいました。ぴんときた勾玉をいただいたら、願いとともに袋に入れて完成。所要時間は1時間程度でしたが、海の景色に満たされた充実した神社さんぽとなりました。