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特集 vol.199
厄を払って福を呼ぶ
東京の節分祭へ行こう!
季節を分ける立春の前日、2月3日は節分の日。豆をまく人、福を受ける人が大勢集まる都内神社の節分祭をピックアップ!

武蔵国一之宮から六之宮までを合わせて祀るので、六所宮とも呼ばれる大國魂神社。

【東京・府中/大國魂神社】
武蔵国の守り神に
稀勢の里関が登場


西暦111年を起源に、長い歴史を持つ府中の大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)。御祭神は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御子神・大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)です。
節分祭は多くの著名人が参加し、1日3回(14時、16時、18時)の豆まき式がおこなわれます。
昨年に続き今年の目玉ゲストは、18時からの3回目に登場する、横綱・稀勢の里関。この回は、毎年押すな押すなの大盛況で入場制限がかかることも。
豆まき式終了後には、横綱をはじめとする著名人が参加しておこなわれる懇親会があります。事前に申し込めば、そこに参加できるチャンスも!
また毎年恒例の、スーパー戦隊ヒーロー俳優を楽しみにしているファミリーも多いそう。それに加えて京王電鉄のキャラクターけい太くんや、府中市のキャラクターふちゅこまも豆まき式に登場。お父さんは、ミス府中・ミスさわやかのキレイなお姉さんたちが楽しみかもしれませんね。
 「神社で豆まきをしたい」という人には、当日10時30分までに福枡申込所で受け付けができる当日参加(2500円)もあります。豆・お札・抽選券入りの福枡がもらえて、ふちゅこま、けい太くんらと11時30分から豆まきをすることができます。抽選券でその場でくじを引き、運が良ければ打ち出の小づちや大黒恵比寿様の置物など、縁起物が当たるかもしれません。
家族で参加して、舞台上から思いっきり豆まきをして福を呼び込んでみませんか?


節分祭参加の費用は1万円で、懇親会付きは2万円。申し込み締め切りは1月25日。


節分祭奉仕参加の費用は1万5000円。申し込み締め切りは1月25日。

随神が鬼門に矢を放つ「鳴弦の儀」の様子。

【東京・千代田区/神田神社】
江戸城の鬼門を
守る神社で
古式ゆかしい節分祭


神田神社(かんだじんじゃ)は神田明神として親しまれる、東京の中心部、神田・日本橋・秋葉原・大手町・丸の内・築地など108町会の総氏神さま。2年に1度5月におこなわれる神田祭は、日本三大祭と江戸三大祭のひとつに数えられています。
節分祭に訪れる人も多く、毎年超満員。福を受けにやって来る人は1000人を超え、豆をまく年男・年女ほか奉仕者は800名ほども。
節分祭は、14時に鳴る太鼓の音からはじまります。
鳶頭衆が木遣りの声も高らかに、先頭を切って随神門をくぐり、続いて赤鬼・青鬼、恵比寿様・大黒様、随神、楽人、神主、氏子総代、奉仕者などが列になって御神殿へと進みます。
豆まき式は、隣接する鳳凰殿2階の舞台で「鳴弦の儀」がおこなわれたあとにはじまります。
「鳴弦の儀」とは、弓と矢を携えた装束の随神二人が、鬼門・裏鬼門の方角に向かって矢を放つという儀式です。これは江戸時代、神田明神が江戸城の鬼門の守護神だったことに由来します。
実際には矢を放つしぐさをするだけですが、それによって赤鬼・青鬼は退散していくというちょっとした寸劇が終わると、いっせいに豆まきがスタート。豆まきではお菓子やみかんが混ざっているのが御愛嬌。「みかんはアンダースローで投げてください」のアナウンスに福笑いが起きつつ、にぎやかに豆まき式がおこなわれます。
奉仕者は豆まき式終了後、結婚式場の「明神会館」で直会(なおらい=神事の最後におこなわれる食事会)に参加することができます。節分ならではの、柊やイワシが添えられた特別な一皿を味わうことができますよ。



「亀戸の天神さん」と親しまれる東の宰府、亀戸天神社。

神官と赤鬼・青鬼が向き合う鬼問答の様子。

【東京・江東区/亀戸天神社】
神官と鬼の問答が
見られる節分追儺祭


下町の天神様、亀戸天神社(かめいどてんじんしゃ)で節分の日の夕方、鬼のやってくる時間におこなわれるのが、節分追儺祭。亀戸天神社の節分祭は、神事である追儺を中心におこなわれます。 追儺とは「災いを追い払う」という意味で、平安時代は旧暦の大晦日に宮中でおこなわれていた鬼祓いの儀式のことです。「鬼儺(や)らい」とも呼ばれ、中国の儀式「儺」から伝わったといわれています。 17時30分になると鳥居の向こうから「ぐぅうぉ~~、ぐぅうぉ~~~っ」と地響きのような鬼の声がしてきます。すると、参道の両脇で見物をする子どもたちの顔が引きつり、早くも泣き出してしまう子が。その声はどんどんと大きくなり、4つ目の赤鬼・青鬼が姿をあらわすと恐怖は絶頂に。鬼たちが見物客たちの目の前に近づき威嚇するその様子は、厄払いのため家々を巡って子どもを泣かせる、男鹿のなまはげのようです。 社殿の前に立つ神官の前まで鬼が進むと、次に神官と鬼の問答が繰り広げられます。神官が「名のり候らへ」と言い、病・疫病をもたらす鬼が自己紹介。「愚かなり、愚かなり(中略)我が国は神国なり。汝らのごとき者の住処にあらず。餌食をあたふ間もとの山へ帰り候へ」と神官が戒めると同時に「鬼は外~」と掛け声をかけながら豆をまくと、鬼が退散して行く・・・というストーリーです。 さっきまで泣きべそだった子どもも、ここぞとばかりに鬼に豆をぶつけます。悪いことが取り祓われ、福が来る「鬼儺(や)らい」の掛け声は「鬼は外」のみ。鳥居の外へ鬼が逃げて行ったら、氏子崇敬者による豆まきがおこなわれ、1時間ほどの節分追儺祭は終わります。