上越市中部にある春日山。南北朝時代、上杉氏が春日山城を築城した場所です。
現在は、春日山城址跡として散策路などが整備され、山一帯が観光地として有名です。
山の中腹にある春日山神社(かすがやまじんじゃ)。創建は明治34年(1901年)、御祭神は上杉謙信公。日本のアンデルセンといわれた童話作家・小川未明の父で、謙信公の熱狂的崇拝者だったという小川澄晴によって創建されました。
境内は、秋になると赤や黄のモミジが敷き詰められ、まるでじゅうたんのよう。直線的な神明造の社殿と真っ赤な紅葉がつくり出す秋の絶景に、思わず足をとめ見入ってしまいます。
階段を下りると駐車場があり、景色が開けた場所に1本のイチョウの木が。この木が黄金色に染まるのは、11月下旬から12月上旬です。
神社からは、1969年(昭和44年)にNHK大河ドラマ「天と地と」の放送にあわせて建立された謙信公の銅像が見えるほか、隣接する春日山神社記念館で、謙信公の遺品や資料を見ることもできます。
そしてもうひとつの紅葉スポットが、神社から徒歩15分ほどの場所にある本丸跡。
春日山城は、複雑な自然の地形をいかした堅固な城塞で、難攻不落の天下の名城といわれた城。日本百名城にも数えられる国指定の遺跡でもあります。
現在も数多く残る、空掘や土塁などを見ながら山頂へ向かい、登りきった本丸跡から二の丸を見下ろすと、見事な1本の大イチョウが。まるで上越市街を見下ろすかのようにすっくと立つ大イチョウの見ごろは、11月下旬から12月上旬です。
新幹線開通によってアクセスがよくなった北陸の観光地、金沢。
金沢は前田利家の入城、天正11年(1583年)を起点とする、武家文化約400年の歴史を感じることができる城下町です。
秋には、金沢城公園・兼六園の紅葉をひとめ見ようとたくさんの観光客が訪れます。
兼六園といえば、加賀藩の歴代藩主が180年もかけて造った金沢城の外庭園。
金澤神社(かなざわじんじゃ)は、兼六園小立野入口近くに鎮座します。
創建は、寛政6年(1794年)。加賀藩11代藩主が兼六園梅林に学問所を建てたとき、その鎮守杜として学問の神さま、菅原道真公を祀ったことがはじまりです。明治以前は、城下の婦子だけに参拝を許されていたのですが、明治7年(1874年)、兼六園の一般公開と同時に、金澤神社も一般の参拝者が入れるようになりました。
紅葉の見どころは、神社の目の前に広がる放生池とモミジのコラボ。水面を音もなく泳いで行くカモたちもあいまって、一幅の掛け軸のよう。鮮やかな朱色の社殿も、色とりどりの紅葉に負けじと、一段と輝いて見えるようです。
イチョウの黄色とモミジの赤色は、どこでとぎれるともなくそのまま兼六園へと続き、いたるところがまさに錦秋の風景。足をのばして兼六園に隣接する金沢城公園までゆっくりと散歩を楽しむこともできます。11月下旬には金沢城と兼六園の紅葉ライトアップもおこなわれるので、夜の紅葉も味わえます。
福井市中心部、標高約116mの足羽山に鎮座する足羽神社(あすわじんじゃ)。境内にある、福井市第一号指定天然記念物・タカオモミジの葉が真っ赤に染まるのは11月中旬ごろ。
樹齢約420年といわれるこの木は、正面参道石段の真ん中あたりにあり、春の枝垂桜とともに足羽神社のシンボル的存在です。
足羽神社から徒歩10分ほど道を下ると足羽川にあたります。足羽川、足羽山のどちらも日本さくらの名所100選に選ばれるほど、桜の名所として有名なのですが、秋は、市内の紅葉の名所として知られています。
そして足羽神社へ続くあじさいロードと呼ばれる道の途中では、幹まわりが3mを超える1本の大イチョウに出会うことができます。神社周辺で黄色に染まるイチョウを見ることができるのはここだけで、見ごろは11月下旬です。
足羽山はV字の形をした細長い山ですが、社寺が複数点在する北東側は、はるか昔から樹木が切られたことのない、手つかずの杜。巨木が多い、神聖な雰囲気を感じることができるエリアです。
山一帯は公園になっており、越前平野を見下ろせるビュースポットも多数。山頂の足羽山公園三段広場には、足羽神社の主祭神でもある継体天皇像が建っています。
継体天皇とは、応神天皇5世の孫として天皇に擁立された男大迹王(おおとのみこ)のこと。58歳で第26代天皇に即位するまで約50年に渡り、越前(福井)の治水事業をおこない、平野を開拓し、産業を興した人物です。彼の偉業をたたえ、山頂広場のシンボルとして明治時代にこの像が建てられました。
ほかにもミニ動物園や茶店、自然史博物館や民家園など楽しめるスポットが盛りだくさん。足羽神社で参拝、紅葉を満喫したあとはどこへ足をのばしましょうか?