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特集 vol.185
一度は行きたい
集合!日本一の神社D
神社のさまざまな「にっぽんいち」を集める特集第5弾。今回は、神秘的な自然石の参道や、日本一の水上鳥居をご紹介します。

釣り人も黒猫も、のんびりとした時間を過ごしているようでした。

鹿島神宮の入り口に立つ大鳥居。ここから約2.5km西側に西の一之鳥居があります。

【茨城・鹿嶋市/鹿島神宮】
日本2位の湖に立つ、
日本最大の水上鳥居


茨城県鹿嶋市に位置する鹿島神宮(かしまじんぐう)は、武道の神さまとして知られる武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)を祀る神社です。

鹿島神宮にあるのが、霞ヶ浦に立つ日本一大きな水上鳥居。
水上鳥居といえば広島県廿日市市の厳島神社(いつくしまじんじゃ)の大鳥居が有名です。厳島神社の鳥居は高さ16m。一方、鹿島神宮の水上鳥居である一之鳥居は高さ18.5mと、厳島神社より2.5mも大きく国内最大とされています。

この水上鳥居を見ようと鹿島神宮を訪れる人はご注意を。一之鳥居は、鹿島神宮の境内入り口から西へ約2.5km離れた場所にあるからです。もともと鹿島神宮の周囲には、東西南北の4カ所に一之鳥居があり、水上鳥居は西の一之鳥居にあたります。
鎌倉時代までは鹿島神宮境内北側にある御手洗池のあたりまで船で往来できていましたが、土地の隆起により水辺が失われてしまいました。その代わりに船着き場となったのがこの場所。
元和4年(1618年)に徳川二代将軍秀忠が社殿とあわせて奉納したのが初代西の一之鳥居となりました。当時は、霞ヶ浦を船で渡り、鳥居をくぐって船を着けたあと、徒歩で鹿島神宮へ参拝するのが定番コース。西の一之鳥居が江戸からの参拝者の玄関口となっていました。
現在の鳥居は2013年6月に再建されたもの。のどかな雰囲気の住宅街の先に立つ赤い鳥居を見に土手を登ると、広々とした湖畔の景色が広がります。鳥居の大きさを感じながら広い空を眺めれば、のびのびとした気持ちになれるはず。鹿島神宮に参拝するときには、少し足を伸ばしてみてください。


霞ヶ浦の4水域のひとつ、北浦に面しています。広~い空が気持ちいい!


緑がしたたるような春から初夏が参拝のベストシーズン。

権現造りの社殿は国の重要文化財に指定されています。

【鳥取・大山町/大神山神社・奥宮】
「偉大な神の山」にある
3つの日本一


古代の人々に「偉大な神のおわす山」と呼ばれ崇敬を集めてきた霊峰・大山。海抜1709m、中国地方でもっとも高い独立峰です。
この山の中腹にあるのが、3つの日本一がある大神山神社(おおがみやまじんじゃ)奥宮。
3つの日本一とは、ひとつ目が自然石を敷き詰めた参道の長さ、二つ目が権現造りの社殿の大きさ、三つ目が幣殿の白檀の漆塗りの規模と壮麗さとされています。

奥宮の創建はさだかではありませんが、大山に登った修験者が簡易な揺拝所を設置したことがはじまりと伝えられています。神仏習合の時代には大山は大山寺が栄え、奥宮も180坊・3000人の僧兵を擁す大智明大権現となり、社殿も造営されました。しかし、当時の社殿は火事で焼失。文化2年(1805年)に、現在も見られる権現造の社殿が造営されました。奥宮はその後、明治政府の神仏分離令により大山寺から分離し、神社に戻り今にいたります。

神仏習合の名残となっているのが、大山寺から続く自然石の参道です。日本一といわれるその長さは約700m。一歩前へ進むたびに、神域の奥地に近づくのを感じられるような参道を抜けると、両翼約50mもある壮大な権現造りの社殿が見えてきます。内部の装飾である白檀塗は、銀箔を貼ったうえに生漆を塗り、化学変化により金色を出す手法で、奥宮ほどの規模のものはまれだとされています。
駐車場から奥宮は、20分ほどの登り。神秘的な神社のアプローチを楽しめるよう、スニーカーでの参拝がおすすめです。


【島根・松江市/神魂神社】
神々の里に残る、最古の大社造りの社殿


松江駅から車で約20分。八雲立つ風土記の丘がある一帯は、古代出雲の中心地。史跡や社寺も集中するエリアの一角に、神魂神社(かもすじんじゃ)があります。

神魂神社の日本一は、現存最古の大社造の社殿。大社造で現存最古といっても、いまいちぴんと来ないかもしれませんが、これ実はかなりすごいことです。
社殿の様式は、大きく二つに分けることができ、その一つが伊勢神宮を(いせじんぐう)に代表される神明造、もう一つが出雲大社(いずもおおやしろ)される大社造です。つまり、とても多くの大社造の神社があるなかでの現存最古にあたるわけです。

境内の案内版によると、建造されたのは室町時代初期にあたる正平元年(1346年)。その大きさは三間四方高さ4丈(約5.5m四方、高さ約12m)。本殿内は狩野派の絵師による壁画や天井に描かれた5色9つの瑞雲で彩られていると記されています。

重厚な趣の社殿に加え、大きな石を組み上げて造られた石段や天を突くような御神木が古代出雲を伝えるよう。神々しい雰囲気が魅力の、知る人ぞ知る神社となっています。
近くの八重垣神社(やえがきじんじゃ)などとともに意宇六社の一つに数えられているので、神社巡りを楽しむのもおすすめです。


最古の大社造として昭和27年(1952年)に国宝に指定されています。