七五三で御祈願すると必ずもらえるのが千歳飴。
その名前からもわかるように、子どもへの長寿の願いがこめられた縁起物です。
千歳飴の発祥には諸説ありますが、発祥の地のひとつと伝えられているのが神田明神(かんだみょうじん)です。
この由来について、神田明神の広報の担当の方にうかがってみると
「昔から口頭で『千歳飴発祥の地』と伝えられてきたもので、発祥の起源はさだかではありません。しかし、幕末ごろに描かれた神田明神の絵に『千歳飴』の看板が描かれているものがあるので、さらに古い時代からあったようです」と教えていただきました。
「千歳飴は子どもが食べるものではなかったのではないかと思われる絵もあるんですよ」とも。お付きの丁稚が大量に千歳飴を持っている絵があることから、ご近所さんなどに配っていたものだったと考えられているようです。
さらに「千歳飴は、七五三ではなくお宮参りのときにも頒布していたものだったんです」と千歳飴のマメ知識をたくさん教えていただきました。
さて、この千歳飴とのゆかりある神田明神は、鎮座1300年近くの歴史を持つとっても由緒正しき神社です。
江戸時代には江戸総鎮守として将軍さまから庶民江戸っ子まで守護してきたので、子どももしっかり守護していただけそう。
併設の明神会館で衣装のレンタルや記念撮影をすることもできるのも、多忙なママにもおすすめです。
日枝神社(ひえじんじゃ)は、神田明神の神田祭と並ぶ江戸三大祭り、山王祭がおこなわれることで知られる神社です。
こちらの七五三で注目したいのが、七五三の御祈祷を受けた人だけに授与される巫女リカちゃんと境内に置かれた開運碁盤です。
このリカちゃんは日枝神社の七五三詣で限定のもので、ほかでは一切手に入らないものだそう。2010年ごろから頒布を始めてから口コミで広まり、今は巫女リカちゃんを目当てに御祈願に訪れる人も多いそうです。
とってもカワイイけれど、なぜ巫女リカちゃんだったのかでしょうか?
「七五三のお子様に神社を親しみあるものとして感じていただけるよう、長く愛されてきたリカちゃんにお子様と神社の橋渡しの役目を担ってもらおうという願いから作製いたしました」と、問合せに答えていただけました。
もうひとつ七五三詣でで人気になっているのが開運碁盤です。
社殿前にすえられた大きな碁盤の上に子どもを立たせて記念撮影をするのが、日枝神社の七五三の定番となっています。
これは皇室における七五三のような儀式「碁盤の儀」にならったもの。
碁盤の上から飛び降りることで「碁盤の目のように筋目正しく育つ」「天下を取るほど大きく成長するように」との願いが込められています。
原宿駅から下車すぐとロケーションがよく、都内とは思えないほど広大な森を持つ境内で環境も抜群。
東京の七五三詣でで人気なのが、明治神宮(めいじじんぐう)です。
かくいう筆者も明治神宮で七五三詣でをした一人。子どものころのことで記憶はさだかではありませんが、有名な神社で七五三をしたと思うとなんだかほこらしかったのを覚えています。
明治神宮の七五三で魅力的なのは、広大な境内。
大自然の中にいるような気分になれる森や、新宿の高層ビル群を見渡すスコーンと抜けた芝生広場は、子どもとお散歩するのにぴったりです。
ただし、長い参道は玉砂利が敷かれており、草履やベビーカーでは通行しにくいので要注意。拝殿にたどりつくまでは運動靴を履かせたり、抱っこ紐を利用したりするのがベターです。
都内の神社にしては広めの駐車場も用意されていますが、11月の土・日曜は混雑することも。会食など次の予定が詰まっている場合は避けた方が無難です。
いずれにせよ、子連れでの行程は遅れがでるのがあたりまえ。
時間と心に余裕をもって、子どものペースにあわせられるように1日の予定を立てるのがおすすめです。