石製の鳥居の大きさで日本一を誇っているのが、愛媛県宇和島市の和霊神社(われいじんじゃ)。中国・四国で崇められている和霊信仰の総本社です。
ご祭神は山家清兵衛公頼命(やんべせいべえきんよりのみこと)。仙台藩主・伊達政宗の長子である秀宗が宇和島へ入城したときに、家老職として同行し、藩政の改革に辣腕をふるった実在の人物です。元和6年(1620年)に凶刃に倒れ、その後事件に関与していた者が相次いで変死したため、清兵衛公の怨霊だと恐れられました。
そこで怨霊を鎮めるために御魂を祀ったのが和霊神社のはじまりだとされています。
鳥居は昭和13年10月に建立されたもので、高さは約12m。建物でいうと3階建てから4階建てくらいはありそうです。
この鳥居がすごいのは、庵治石で造られているということ。
庵治石は、香川県の庵治で採掘される最高級の石材です。耐久性が高く青く美しいまだら模様を持っていることから花崗岩のダイヤといわれています。
庵治石の鳥居の総工費は当時の金額で2万5000円。
昭和13年といえばお米10kgが3円程度だった時代なので、現在のお米10kgが4000円とすると軽く3千万以上かかっている計算になります。
和霊神社の前には川が流れ、太鼓橋がかかっています。橋の手前で神域を区切っているのが石の鳥居。四国でも指折りの大社にふさわしく、空高くそびえています。
名前の長さが日本一なのは飛鳥川上坐宇須多岐比賣命神社(あすかのかわかにいますうすたきひめのみことじんじゃ)。
なんとも変わった名前ですが、どのような意味があるのでしょうか?
名前にも出てくる御祭神の宇須多岐比賣命の「宇須」は「立派な」という意味を指す古語。「ウス」を取ると「タキヒメノミコト」となり、宗像大社に祀られている宗像三女神の一柱であるタギツヒメと同神といわれています。
タギツヒメは、アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)により生まれた神さまで、オオクニヌシの后神です。
明日香村には、名前が似ている飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)という神社があります。こちらの神社にはタギツヒメの子神である事代主神(ことしろぬしのかみ)が祀られていますが、もともと宇須多岐比賣命は飛鳥坐神社に祀られていたそう。飛鳥川上坐宇須多岐比賣命神社には、天慶8年(945年)に遷御されたと伝わっています。
神社がある明日香村は、ご存じのとおり飛鳥時代の都。聖徳太子が摂政になり天皇中心の世の中が作られた「日本のはじまりの地」とも言える場所です。
飛鳥時代の女帝である皇極天皇が雨乞いをした地でもあり、日本最古の雨乞いの地とも伝えられています。
「日本一長いおみくじが埼玉にあるらしい」そんな噂を聞いて、発見したのが埼玉県熊谷市に鎮まる高城神社(たかぎじんじゃ)です。
なんとなく運勢が書いてある紙が長いものだと思っていたのですが、長いのは籤を引く箱の方。全長110cmもあります。もちろん中に入っている串も1m近い長さ。
なかなか振りごたえ、引きごたえがあるおみくじです。
それにしても、なぜ長いおみくじが生まれたのでしょうか?
高城神社の神職・高月さんにうかがってみると「熊谷市が日本一暑い町といわれるようになったときに、それにかけて何かできないかと思ったのがきっかけです」と教えていただきました。
ちなみに、高城神社は延喜式神名帳に式内社として記載され、旧大里郡の総鎮守として崇敬を集めている神社です。御祭神が高皇産霊尊(たかむすびのみこと)で「むすび」が含まれることから、恋愛やさまざまな物との縁を結ぶ縁結びの御神徳も知られています。
高月さんからは「おみくじは、願いを心の中で唱えてから振って籤を引くのがよいでしょう」というアドバイスも。「長いおみくじを手にして、心に描くものとのご縁を願ってみてください」とおっしゃっていました。