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特集 vol.162
こんなお祭りあったんだ!
ユニークなお祭り特集B
笑ったり、泥にまみれたり・・・。全国津々浦々から、ちょっぴり変わった祭りをセレクト。

笑いを振りまいて町を練り歩きます。

祭りの行列の前におこなわれる「鬼の出合い」。鬼が矛とささらを響かせてにらみ合う、勇壮な儀式です。

【和歌山・日高川町/丹生神社】
笑いで福を招く
「笑い祭」


和歌山県の西部に位置する日高川町は、町の中央部を日高川がゆっくり流れるのどかな雰囲気の町。ふだんは静かなこの町が、体育の日の直前の日曜日に限っては、笑いと熱気に包まれます。
笑い祭りは、丹生神社(にうじんじゃ)の秋の祭礼。道化た化粧と衣装をまとった鈴振りが先導する行列が、「笑え、笑え」と見物人をはやし立てて練り歩くというなんとも陽気なものです。
祭りの起源は、御祭神に由来します。丹生神社の御祭神の一座である丹生都姫命(にうつひめのみこと)が、出雲の神さまの集まりに初めて出席することになったものの、寝坊して遅刻してしまいます。ほかの神々に笑われた丹生都姫命、すっかり落ちこみ社に籠もってしまいました。そこで村人たちが「笑え、笑え」と慰め元気づけたのが祭りのはじまりとされています。
御旅所から出発した一行は、笑いとお菓子を振り撒きながら神社を目指します。
境内では民俗芸能が奉納され、陽気な祭りは幕を閉じます。


【埼玉・上尾市/八枝神社】
泥にまみれて悪疫退散「平方のどろいんきょ」


突然ですが泥遊びって楽しいものでしたよね?
ぬるぬるっとしたテクスチャーにまみれていると、なぜだかテンションが上がってきて、全身ドロドロになると、あげく親に怒られるという禁断の遊びだったような気がします。
大人になるとなかなか泥まみれになるわけにはいきませんが、神事として堂々と泥まみれになっているのが「平方のどろいんきょ」です。
「平方のどろいんきょ」は、荒川にほど近い場所にある八枝神社(やえだじんじゃ)の夏祭り。毎年7月海の日の前日の日曜日におこなわれています。
祭りでは、通常の神輿のほかにいんきょ神輿と呼ばれる装飾のない白木の神輿が町内を練り歩きます。この神輿渡御のルート上5カ所にある神酒所で、いんきょ神輿を泥の上で転がす「どろいんきょ」がおこなわれます。神酒所となる家の庭にはあらかじめ水をまいておき、ドロドロになっているところへ、いんきょ神輿を入れます。お囃子が流れる中、神輿を転がす担ぎ手たちに時節水がかけられ、祭りは最高潮に。担ぎ手はもちろん、見物人も泥が容赦なく降りかかります。
どろいんきょが終わると、いんきょ神輿を荒川に入れたり、神輿の上に歌舞伎役者に扮した若者が乗ったり、見せ場が続き、午後9時ごろ神社に還御します。
八枝神社は、素盞鳴尊(すさのをのみこと)を祀る天王社の一社。天王社とは、牛頭天皇・スサノオを祭神とする祇園信仰の神社のこと。そのため祭りも「平方祇園祭のどろいんきょ行事」として県の無形民俗文化財として指定されています。


泥の中で神輿を執拗に転がし、悪疫退散を願います。

【宮崎・えびの市/菅原神社】
子牛が跳ぶ!「牛越祭」


豊かな水田が広がる宮城県えびの市西川地区。稲が青々と生えそろったころに一風変わった祭りがおこなわれます。
牛越祭は、毎年7月28日におこなわれる菅原神社の伝統行事。家畜の無病息災と豊作を願うもので、400年以上の歴史があるといわれています。
祭りは境内に設けられた高さ50cmの丸太を牛たちが跳び越えるというもの。
行事に参加するのは、身が軽い子牛たち。祭り用の飾りをまとい飼い主に手綱を引かれて登場します。子牛が見事に飛び越す度に見物人たちは拍手喝采。
尻込みしてしまう子牛たちの可愛い仕草には、笑いが巻き起こります。
春の農耕で疲れた牛たちを慰労し、牛の無病息災を願って続けられてきたこの祭り。
最盛期の江戸時代末期には約600頭もの牛が参加したと伝えられています。


鮮やかな飾りをまとった20頭あまりの子牛たちが主役。