いまノっているプロ野球チームといえば、間違い無く2015年のプロ野球日本シリーズで2年連続日本一を勝ち取った福岡ソフトバンクホークス。
このソフトバンクが、毎年必勝祈願で参拝しているのはチームの地元に鎮座する筥崎宮(はこざきぐう)。筥崎八幡宮とも称され、大分の宇佐神宮(うさじんぐう)、京都の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)とともに日本三大八幡宮に数えられている由緒あるお宮です。
勝利の神さま、必勝祈願の神社として知られていて、ソフトバンクだけでなくJリーグのアビスパ福岡、プロバスケットボールのライジング福岡が毎年必勝祈願をおこなっています。
筥崎宮が勝利の神さまと言われるようになったのは、鎌倉中期の蒙古襲来のとき。戦場となった博多湾に神風が吹いたことにより元軍が撤退したという言い伝えによります。
神風が吹いたかどうかは諸説ありますが、元軍が侵攻にいたらなかったのは事実。
博多湾そばに鎮まる筥崎宮の御神徳によるものとして、勝利の神さまと慕われるようになったのです。
八幡神の御祭神である応神天皇に加え、三韓征伐で兵を率いたことで武神と信仰される神功皇后も祀られているのもご利益に影響しているのかもしれません。
地元では、スポーツにかかわらずビジネスや受験など、勝負に出るときに参拝する人も多いもよう。ここぞというときに願掛けしたい神社です。
サンフレッチェ広島は、2015年のJ1王者。
4年で3度目のJ1制覇をなしとげる、すばらしい安定感をみせています。
このサンフレッチェ広島の監督と選手が必勝祈願をおこなっているのは、戦国大名、毛利元就の居城だった郡山城跡のふもとにある清神社(すがじんじゃ)です。
スサノヲが八岐大蛇を退治した舞台という伝説もあり、神代からの鎮座と伝えられる古社です。戦国時代には毛利氏の祈願所となったことから、元就が必勝祈願をおこなっていたとも推測されます。中国地方のほぼ全域を手中におさめた元就が崇敬していた神社というだけでも勝負の神さまとしてご利益がありそうです。
サンフレッチェ広島の必勝祈願祭は毎年1月下旬。
当日は一般の参拝が可能で、事前に告知されるのがうれしいところ。
選手の絵馬奉納や監督の挨拶が見物できるほか、年により豆撒きやサイン会、記念撮影がおこなわれることもあり、ファンとの交流の場となっています。
ラグビーワールドカップ2015で大会史上初の予選プール3勝をあげ、日本に大きな夢をあたえてくれた日本代表チーム。すばらしい活躍を見せた五郎丸歩は、ラグビーブームを巻き起こしました。
代表チームがワールドカップ出場前の8月18日に必勝祈願に訪れていたのが、合宿地のそばの大御神社(おおみじんじゃ)です。
日向のお伊勢さまと親しまれるこの神社は、国内最大のさざれ石があります。
『君が代』にも登場するさざれ石とは、小石同士が石灰質などの成分により溶け固まり、長い時間をかけて大きな岩のようになったもの。
ヘッドコーチのエディー・ジョーンズが、境内のさざれ石を見て「選手に日本を背負う気持ちを持ってほしい」と神社に協力を依頼。必勝祈願祭をおこなうことになったそうです。
当日は選手とスタッフあわせて約60名が神社をおとずれ、祈願をおこなったあと、さざれ石の前で国歌斉唱。五郎丸選手はtwitterで「改めて日本の素晴らしさ、国歌の素晴らしさを感じれる一時でした(原文ママ)」とつぶやいていました。
大御神社は、荒々しく切り立った崖の上に建てられた神社。境内の鵜戸神社には洞窟の中から外を見ると、外の景色が天に昇る龍に見えるという、古代祭祀の跡と思われる場所もあり実に神秘的。
活躍の影には、パワースポットの存在あり。選手たちの心をひとつにし、勝利へと導いたのはこの体験があったからかもしれません。