清水寺を通り抜けた先にあるのが、京都最古の縁結びの神さまといわれる地主神社(じしゅじんじゃ)。
縁結びの御神徳が知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)を主祭神にまつり、その父母神である素戔嗚命(すさのおのみこと)・奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、さらに奇稲田姫命の父母神、足摩乳命(あしなずちのみこと)・手摩乳命(てなずちのみこと)まで3代にわたる神々をお祀りしていることから、子授け・安産の神さまとしても信仰を集めてきました。
御祭神の御神徳もさることながら、こちらの神社で女性に大人気なのは「恋占いの石」。
拝殿前にあるふたつの石の間を、目をつぶってたどりつけば恋がかない、だれかの導きでたどりつければアドバイスにより恋がかなうといわれています。
ふたつの石の間は10mほどですが、日中は境内が混雑しているので誰かの導きがなければ人にぶつかってしまうのでご注意を。本気でチャレンジしたいなら、早朝に参拝するのがおすすめです。
社伝による創建は神代の時代とされる地主神社ですが、この恋占いの石は、縄文時代の遺物であることが証明されています。戦国時代から江戸時代には恋占いの石の人気で境内が一日中にぎわったとも伝わっているそう。
長年縁結びの神さまとして信仰されているのは、たくさんのご利益があったからかもしれません。
女性を幸せにしてくれる、女性のための神社という口コミで、京都通の女性たちから熱い注目を浴びる神社があります。
烏丸線五条駅から徒歩10分、五条大橋のそばにある市比賣神社(いちひめじんじゃ)です。
御祭神がすべて女神さまであることから、ご神徳は、良縁、子授け、安産など女性にまつわるものばかり。全国でもめずらしい、女人厄除けの神さまとして崇敬を集めてきました。
御祭神は、アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)により誕生した、多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)、市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)、多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)の宗像三女神と、神大市比賣命、下光比賣命の五柱。
平安遷都(794年)の翌年に市場守護のために創建され、その後歴代皇后からも崇敬をうけ、現在も「皇后陛下勅願所」とされているそうです。
参拝におとずれたときに忘れず立ち寄りたいのが、境内の願掛けスポット天之真名井(あめのまない)。天皇の産湯に用いられたと伝わる名水で、絵馬をかけて天之真名井のご神水を飲んで手を合わせると、願い事がかなうと伝えられています。
願うときに注意しなければならないのが、あれこれお願いしないこと。真摯に手を合わせれば、たったひとつだけ願いをかなえてくれるといわれています。
風光明媚な嵐山を代表する観光地、竹林の道を抜けるとすぐそこにあるのが、野宮神社(のみやじんじゃ)です。
野宮とは、伊勢神宮に斎宮として使える皇女が伊勢へ行く前に身を清めたところ。
斎宮に任命されると1年間宮中で身を清め、そのあと仮宮である野宮でさらに1年間、俗世と離れた生活をします。平安時代の野宮は、嵯峨野周辺に数カ所もうけられており、野宮神社の場所が最初に使われたのは、平安時代初期の嵯峨天皇と六条御息所(ろくじょうみやすどころ)の皇女である仁子内親王が斎宮に任命されたとき。
その様子は、源氏物語の第十帖「賢木(さかき)」にも登場し、仁子内親王とともに伊勢へ下ることになった六条御息所と光源氏の別れのシーンの舞台となっています。
南北朝時代に入ると斎宮制度が廃絶されましたが、野宮神社の場所は神社として存続され、野宮の名残として黒木の鳥居と小柴垣が再現されています。
清らかな場所に建てられた小さな聖地は、京都有数のパワースポットとして女性たちに大人気。ロマンチックな物語が残されているせいか、縁結びの神さま、子宝、安産の神さまとしても知られています。