松平定信公を祀る南湖神社(なんこじんじゃ)は、紅葉の名所・南湖公園のほとりに鎮座しています。
「寛政の改革」をおこなったことで知られる松平定信公。26歳で白河藩主になったばかりのときにおこった天明の大飢饉では、斬新な政策を打ち出し藩内から一人の餓死者も出さなかったと伝えられています。その後には、南湖を作庭。身分の差にかかわらず利用できるようにしたため日本最古の公園になりました。
藩民に慕われていた定信公を、南湖のそばに南湖神社としてお祀りしたのは大正11年(1922年)。以来、諸願一切成就の神・守国大明神として崇敬を集めています。
南湖公園以外にも作庭をおこなった定信公は、あるがままの自然を活かした造園を好んだそう。
四季折々の自然を楽しめる南湖公園は、例年10月下旬から11月上旬に紅葉の見ごろを迎えます。一周約3kmの園内を散歩しながら、作庭の妙を紅葉とともに楽しんでみてはいかがでしょうか?
古くから「津軽富士」を呼ばれて親しまれてきた岩木山は、本州でもっとも早い紅葉名所のひとつ。
標高1600mを超える山頂付近は9月下旬から色づきはじめ、だんだんと麓へと紅葉が降りてきます。
ふもとに建つ岩木山神社(いわきやまじんじゃ)は、顕國魂神(うつしくにたまのかみ)をはじめとする五柱を岩木山大神(いわきやまおおかみ)として祀り、「お岩木さま」「お山」と親しんで呼ばれてきました。
神社の背後にそびえる岩木山の山頂には奥宮があるので、紅葉狩りがてら登拝してみてもいいかもしれません。岩木山山頂へは、津軽岩木スカイラインで8合目まで約25分、8合目から9合目まではリフトで10分ほど。その先は30~40分で登頂することができます。
東北で紅葉を楽しめる神社はまだまだあります。
例えば東北鎮護・陸奥国一之宮として崇敬を集める志波彦神社・鹽竈神社(しわひこじんじゃ・しおがまじんじゃ)は、色とりどりの紅葉が楽しめます。約28haの境内には約500種もの植物が繁殖しているため、色づき具合や時期はさまざま。燃えるようなカエデの紅葉と常緑樹のコントラストは息をのむような美しさです。
また、イチョウの紅葉で有名なのが福島県喜多方市の新宮熊野神社(しんぐうくまのじんじゃ)。樹齢600年、高さ30m、幹廻り7.7mという巨木の御神木で、拝殿「長床」との景観は多くの観光客を魅了しています。
新宮熊野神社の紅葉は11月上旬、志波彦神社・鹽竈神社は10月中旬に色づき始め、11月上旬に見ごろを迎えます。