これまでアクセスしにくかった東京〜北陸間。
長野新幹線と特急電車を乗り継いでいたのが、北陸新幹線が開業したおかげで、最速の「かがやき」を使用すれば東京〜金沢間は2時間28分!
日帰りが可能なほど身近になりました。
そこで今回は、北陸新幹線の終点であり沿線最大の観光地、金沢での「金沢五社参り」をご紹介します。
「金沢五社」とは、正式な神官が守護していた安江八幡宮(やすえはちまんぐう)、小坂神社(こさかじんじゃ) 、宇多須神社(うたすじんじゃ)、椿原天満宮(つばきはらてんまんぐう)、神明宮(しんめいぐう)の5つの神社のこと。
加賀藩主前田家の崇敬が篤く、藩主自らが参拝を奨励したそう。全社めぐれば開運招福所願成就されると伝わっています。
金沢城を囲むように点在しているため、一筆書きのルートでめぐることができます。
移動は金沢市内に19のポートがあるレンタサイクル「まちのり」や公共バス、タクシーなどを利用するのがよいでしょう。
1日で巡るのにおすすめなのは、下記のルート。
@安江八幡宮 A小坂神社 B宇多須神社 C椿原天満宮 D神明宮
まずは、駅に近い@安江八幡宮へ。
安江八幡宮は天慶2年(939年)に創建、金沢雑貨のモチーフにも使われる縁起物「加賀八幡起き上がり」発祥の地として知られています。御祭神の八幡大神(応神天皇)の深紅の産着姿になぞらえて作られたもので、愛児の健康祈願や「起き上がる」ことから商売繁盛などを願う人が多いとか。
次に向かうのはA小坂神社。城下町の北部、山の上町に位置する古社で、延喜式内加賀十三座の中の一社として記されています。弊社の富士社は玉姫病気祈願所とされ病気平癒の後神徳が伝わっています。
山を下りたら、そろそろおなかが減ってくるころ。
金沢で一、二を争う観光スポットひがし茶屋街でランチタイムを過ごしてから、すぐそばのB宇多須神社を参拝しましょう。
毘沙門さんの名前で親しまれる宇多須神社は、浅野川の河辺から掘り出した古鏡に卯(う)と辰(たつ)の紋様があり、卯辰神を祀ったのがはじまり。初代藩主前田利家公をお祀りし代々藩主の祈祷所として崇敬されました。境内の奥には五代綱紀の病を平癒したとする「利常公酒湯の井戸」があり、前田家ゆかりの神社でもあります。
次のC椿原天満宮へは距離があるのでタクシーでのアクセスが便利ですが、国の登録有形文化財指定の浅野川大橋がルート上にあるので、徒歩で渡ってからタクシーをつかまえるのがおすすめ。3月下旬から4月上旬には川沿いに咲くサクラを楽しむこともできます。
椿原天満宮は、永仁5年(1297年)に京都の北野天満宮より丹羽屋敷と称された山崎という場所に勧請されました。一向一揆により現在地に遷座され、金沢五社の筆頭に格付けされることになりました。
菅原道真公をお祀りする天満宮には道真公が愛した梅がつきものですが、こちらは名前のとおりツバキの名所。1月から3月まで、境内に鮮やかな花が咲き誇ります。
「お神明さん」の愛称で親しまれているのはD神明宮。
加賀藩五代藩主・前田綱紀が氏神として崇敬した社で、東京・芝神明(芝大神宮)などと並ぶ全国七神明、または三神明の一社とされています。
地元の人には、三百年以上続く悪事災難厄除伝統特殊神事「あぶりもち神事」の神社としてもおなじみ。無病息災を願って香ばしく焼かれた餅を食べるおいしいお祭りで、毎年5月と10月におこなわれています。
神明宮のそばには、忍者寺として有名な妙立寺や、にし茶屋街があります。また、北陸一の繁華街で必食の海鮮居酒屋が軒を並べる香林坊・片町も犀川大橋を渡ればすぐ。
金沢駅にもバス便があるので、起点へ楽に戻ることができますが、東京行きの最終は21時発のかがやき518号。ぜひ古都の夜も楽しんでください。