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特集 vol.123
神社で楽しむ
NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
天才軍師・黒田官兵衛を軸に波乱の時代を描いた本作も、名残惜しいことにまもなく終結。官兵衛の人生をたどりながら、ゆかりの地をご紹介します。

本殿・拝殿は国の重要文化財に指定されています。

黒田家が仕えた御着城、小寺家の旧跡。主君、小寺政職(片岡鶴太郎)は、官兵衛の最初の主君でした。

【兵庫・姫路市/廣峯神社】
黒田家の礎を築いた
祖父・重隆の原点


織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など、日本史の大スターが勢ぞろいする戦国時代で、スターのサポート役にスポットライトを当てた今回の大河ドラマ。
正直「官兵衛って一体だれ?」なんて思っていた人は多かったのでは?
メジャーネームをタイトルに使わないことで期待値が下がっていたはずですが、予想を見事に裏切り、視聴率は好調です。
戦場から時代を動かしてきた名軍師、黒田官兵衛(岡田准一)の活躍は、今の世で言えば社長ではなく中間管理職の話。上からの無理難題を才気で切り抜けていく様子は痛快で、思わず引き込まれるおもしろさがあります。
その官兵衛が世に出ることができたのは、祖父・重隆(竜雷太)のおかげ。
仕官の口を探すため姫路にたどり着いた重隆は、広く崇敬を集めていた廣峯神社(ひろみねじんじゃ)の社家の人々と仲良くなります。社家の人々は、なかなか仕官が叶わない重隆を助けたいと思い、黒田家に伝わる目薬をお札と一緒に配りたいと申し出てくれました。爆発的に売れた目薬の利益を、当時としては破格の低金利で農民に貸し、代わりに黒田家に奉仕する人を集めたことで、武家としての体裁が整った上に御着城城主・小寺家に仕えることになり、黒田家発展の基礎を築くことになったのです。
標高200mの広峯山に鎮座する廣峯神社は、奈良時代末の有力な地方豪族、吉備真備(きびのまきび) が聖武天皇の勅命により白幣山に建立。全国にある牛頭天王の総本宮であり、現在の本殿・拝殿はともに国の重要文化財に指定されています。
山頂への参拝の疲れを癒すのは、市街地や播磨灘まで見渡す眺望。
祖父のもとを頻繁に訪れていた官兵衛も、この景色を目にしたことでしょう。


「灘のけんか祭り」で知られる松原八幡神社も、官兵衛ゆかりの神社のひとつ。

姫路城代は、重隆から職隆、さらに官兵衛へと受け継がれました。

【兵庫・姫路市/松原八幡神社】
あの祭りは官兵衛の
進言で守られた!?



物語の中で、無駄な戦を避けるために、官兵衛が何度も尽力する様子が描かれていました。
荒木村重が信長に対して謀反を起こした際も説得に赴き、小田原の陣では北条氏政・氏直父子を小田原城に入って説得し無血開城の功労をあげています。
「灘のけんか祭り」で知られる松原八幡神社(まつばらはちまんじんじゃ)も、官兵衛に救われています。
兵を持っていた松原八幡神社は、豊臣秀吉と毛利軍・別所長治の双方から援軍を依頼されましたが、どちらにも加担しませんでした。そのため勝利した秀吉の怒りを買い、神社の移転を命じましたが、官兵衛の嘆願により存続を許されました。
千石あった寺領は六十石に減らされてしまいましたが、今も「灘のけんか祭り」が見られるのは、官兵衛のおかげとも言えるかもしれません。
松原八幡神社への崇敬が篤かった官兵衛は、神社復興の際に拝殿を寄進したとも伝えられています。
鎮座地は姫路城から南へ8kmほど。山陽電鉄白浜の宮駅から徒歩約3分とアクセスもしやすいので、ゆかりの地めぐりでも気軽に立ち寄ることができます。


官兵衛は、天神さま(菅原道真公)を深く崇敬していました。
境内には、官兵衛を祀る如水社も鎮座しています。

【福岡・太宰府市/太宰府天満宮】
文化人・官兵衛の
姿を伝える


物語はいよいよ終盤。秀吉亡きあと、寺尾聰さん演じる古狸風の徳川家康がますます存在感を増してきていますね。
関ヶ原の戦いに乗じて九州を平定した 官兵衛(如水)は、福岡城を築城し愛妻・光(幸円・中谷美紀)とともに余生を過ごすことになります。
福岡城築城には7年の歳月が費やされ、城内には10を超える門や47基櫓が造られました。
官兵衛が、城内の居城ができるまで仮住まいしていたのが太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)です。
生涯のほとんどを戦乱の中で生きた官兵衛ですが、太宰府天満宮では和歌をたしなみ、茶の湯を好む文化人としての姿が伝えられています。
その痕跡がうかがえるのが、境内にある「如水の井戸」。如水が茶の湯で使った井戸が今も残されています。
また、和歌・連歌の神さまとしても知られる御祭神、菅原道真公を崇敬し、太宰府天満宮に連歌を奉納。長年の戦乱で荒廃した境内に社殿を造営しています。
「戦のない世」を目指してきた官兵衛。太宰府天満宮では、その望みを果たし穏やかな時を過ごしました。