干潮時には、大鳥居まで徒歩で行くこともできます。
江戸時代に建立された日本で唯一の海上の能舞台。
華麗な海上の社殿群は 国宝、重要文化財のオンパレード
NHK大河ドラマ『平清盛』でも注目されている広島県廿日市市の厳島神社(いつくしまじんじゃ)。海に浮かぶような独創的な建築が、「人類の創造的天才の傑作を表現するもの」「人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、あるいは建築的または技術的な集合体または景観に関する優れた見本であること」などの4つの基準をクリアして、平成8年(1996)世界文化遺産に登録されました。 実は日本で単体の神社として世界文化遺産に登録されているのは厳島神社のみ。平安時代の名建築といわれる海上の社殿群は、国宝や重要文化財のオンパレード。平安時代に造られた本殿、平舞台、高舞台は国宝に、能舞台と大鳥居は重要文化財に指定されています。
社殿をつなぐ廻廊は壮麗な雰囲気。
朱色の社殿は雅やかで、平安時代の趣を伝えてくれます。
平家の崇敬が生んだ名建築
安芸の宮島は昔から、丹後の天橋立と陸前の松島と並んで日本三景の一つに数えられてきました。竜宮城にも例えられる美しい社殿は、どのようにして造られたのでしょうか? 厳島神社の創建は推古元年(593年)。 安芸国佐伯の豪族だった佐伯鞍職(さえきくらもと)が、ご神託を受けて市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)の3柱の女神さま宗像三女神を祀る神社を創建したと伝えられています。その後、平安時代後期の久安2年(1146)2月に平清盛が安芸守(あきのかみ)という役職についたことで、厳島神社との深い関わりが生まれました。 平清盛の援助により、海上に廻廊でむずばれた37棟の本宮と対岸の地御前に19棟の外宮の建設がスタート。数年を費やし完成した社殿群は、自然と建造物が一体になったかつてない景色を誕生させました。潮が満ちれば海上に浮かぶように見える朱色の社殿は、当時の人々に驚きとより深い崇敬を与えたことでしょう。 高潮や台風などの危機にあうことで幾度も手を加えられているものの、現在の社殿は当時の佇まいを伝えているそう。今も廻廊を巡れば、平安時代さながらの壮麗な趣を楽しむことができます。
美しい入り江に立つ厳島神社。背後の山が弥山。 写真提供:広島県観光連盟
外国人観光客にも大人気。 安芸の宮島の魅力
宮島は厳島神社の創建前、太古の昔から自然崇拝の対象として信仰を集めてきました。古くは人の立ち入りが禁止された神域。ケガレを忌避する風習もあり出産も墓の建立も島を出ておこなう習慣があるそうです。 そんな宮島も世界最大の口コミサイト『トリップアドバイザー』でもナンバー1になるほど人気の観光地として発展しました。 フェリー乗り場から続く参道には、あなご饅頭などを売るお店が並び、名物グルメを楽しむことも。近年は、神社の背後にそびえる弥山(みせん)が、原始の植物が息づく神聖な山としてパワースポット好きの注目を浴びています。ロープウェイで訪れることもでき、山頂の展望台からは瀬戸内海の島々を一望。何度見ても見飽きない大パノラマが待っています。 日帰りで訪れることもできますが、島内には旅館や民宿があるので、1泊して神さまの島・安芸の宮島をたっぷり楽しんでみてはいかがでしょうか?
どこ行く?世界遺産の神社
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古代から神さまとして 崇められる那智の滝を祀る |
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