大きな木に圧倒されるような参道が続きます。
神さまが通るための橋、玉の橋。新緑に包まれ神秘的。
背後に見える山が霊峰・弥彦山。 写真提供:弥彦観光協会
弥彦山山頂の御神廟は縁結びのパワースポット! 〜越後国一宮 弥彦神社
新潟県の神社数は断トツ日本一。 文化庁の平成22年度の統計によると、1位の新潟県は4942社で2位の兵庫県4226社と比べると700社もの違いがあります。 その新潟県こと昔の越後国の一宮が弥彦神社(やひこじんじゃ)です。 「おやひこさま」の愛称で親しまれてきた弥彦神社は、越後平野にそびえる弥彦山全体が神域。万葉集の二首に登場するほど昔から信仰を集めてきました。今も正月三が日の参拝者数は新潟県一位で、まさに新潟を代表する神社といえるでしょう。 御祭神は、天香山命(あめのかごやまのみこと)。社伝では、神武天皇の命を受け、住民に海水から塩をつくる技術、漁、稲作など農耕術などの基礎を教えたと伝えられています。 越後の国造りの神さまだけあって、その規模は最初に迎える大鳥居からケタ違い。道路にまたがるように建てられた大鳥居は高さ30m。上にかけられた額だけで畳み12枚分もあるというから圧巻です。昭和57年に上越新幹線開通を記念して建てられたもので当時は日本一、今でも日本で二番目の高さを誇っています。 大鳥居から御社殿までは4km。一の鳥居をくぐると、巨木に守られた長い参道が待っています。御社殿は明治時代の火事で焼失したため、大正5年に再建されたもの。歴史こそ長くはありませんが、弥彦山を背景に均整の取れた美しい造形が見応えがあり、思わず姿勢を正してしまうような神聖な空気が漂っています。 恋を叶えたい女子におすすめなのが、さらにそこから森の中を歩いて10分、ケーブルカーに乗り弥彦山の山頂で参拝できる御神廟(ごしんびょう)。天香山命と妃神の熟穂屋姫命(うましほやひめのみこと)が仲良く祀られることから、地元では恋愛の神さまとして知られています。
永禄年間(1558〜69年)に建てられたと伝えられる本殿は、国の有形文化財に指定されています。
越中総社跡伝承地。やわらかな苔の上に神さまが降りてきそう。
古の神域が保たれた、静かな古社 〜越中国一宮・気多神社
富山県高岡市のドライブスポット二上山の麓に位置する気多神社(けたじんじゃ)は、越中国一宮。越中国には一宮のいわれが残る神社がほかに三社あり、一宮の座を争ってきたという資料が残されています。 社伝による創建は、天平宝字元年(757年)に能登の気多大社から今の場所に大己貴命(おおなむちのみこと)の御分霊を勧請したとも、養老2年(718年)に行基という僧が開いたとも伝えられています。 全盛期には境内のまわりに大伽藍が存在した、上杉謙信の兵火を受けたことから地方豪族武士団を組織化するほどの力があった・・・。 そんな説が唱えられるほど信仰を集めていたようですが、今はただひっそりとした社が残されています。 階段を上った先にあらわれる境内は、樹木も社殿も潮風に洗われて清々しい雰囲気。国指定の有形文化財で風格をそなえた本殿や、「とやまの名水」に指定された参道の清泉、弁慶が残したと伝えられる柱の拳骨跡などの見どころがありますが、注目してほしいのが越中総社跡伝承地。苔むした広場のなかにポツンと木造の鳥居が立つのみですが古の神域だからでしょうか。神聖な雰囲気が漂っています。鳥居の周囲は立ち入り禁止。光が差せば人が踏みいらない苔が緑に輝く、美しい景色を見せてくれます。
初夏には、緑に覆われる境内。
主祭神を祀る別宮の拝殿。塩の神さま、安産の神さまとして知られています。
重要文化財のオンパレード 〜陸奥国一宮・鹽竈神社
門前町として発展した塩釜の町を見下ろす一森山に鎮座する鹽竈神社(しおがまじんじゃ)は、陸奥国一宮で、全国にある塩釜神社の総本社。東北鎮護の神さまとして篤く信仰されてきました。 鳥居から社殿へと続く表参道は、202段の急勾配な石段。階段を登り随神門をくぐると、正面に左右宮、右手に別宮という、めずらしい配置の社殿が見えてきます。別宮には主祭神の塩土老翁神(しおつちおじのかみ)、左宮に武甕槌神(たけみかづちのかみ)、右宮に経津主神(ふつぬしのかみ)を祀っています。 端正な趣の拝殿や本殿を始め、随神門をふくめて14棟と石鳥居一基が国の重要文化財に指定されています。また、神木杉や巨杉、大栃の木などの銘木に会うこともできます。 さらに、すぐ隣には志波彦神社(しわひこじんじゃ)が鎮座しています。 こちらの社殿は極彩色漆塗りの華やかな雰囲気。神社の建築が好きなら、見比べてみるのも楽しそうです。 境内からは塩釜港とその向こうに松島を一望。立派な庭園を眺めながら茶店でひと休みすることもできるので、のんびりと一服していきましょう。
どこ行く?東北・北陸の一宮
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