薪能を観る前に。 そもそも能ってなに?
能は、むずかしくて退屈・・・。そんな印象を持っている人が多いかもしれません。でも、演目のストーリーを本やネットなどで調べて「どんな場面で何を話しているのか」を理解できるようにしておけば大丈夫。そして、そのシーンを表現する所作や声、音楽に注目すればより理解が深まり、能の楽しさに触れられます。 ひとつの公演では、能と狂言が交互に演じられるのが一般的。狂言は能と異なり、お笑いの原点ともいわれる舞台です。せりふも聞き取りやすく滑稽な動きが織り交ぜられ、はじめてでも楽しく観ることができるでしょう。 薪能は、日が落ちてから野外で行われる能のこと。気軽に観られるものが多いので、能を楽しんでみたい人にはおすすめです。神社でおこなわれる薪能は、神さまへ奉納する神事として行われることが多く、神聖な雰囲気に包まれます。 余計なものをとことんそぎ落とし、シンプルを極めた様式美を、日常とはちがう時間の流れに身を任せて楽しみましょう。
篝火のなかで演じられる幻想的な能
神池に浮かぶ総檜造りの能舞台。
水上の能舞台で演じられる幽玄の世界 〜「八ヶ岳薪能」身曾岐神社
八ヶ岳山麓の大自然に抱かれた身曾岐神社(みそぎじんじゃ)で行われる「八ヶ岳薪能」。 神池に浮かんだ舞台が篝火に照らし出され、自然と舞台が一体になった雰囲気は、ため息がでるほどステキです。能舞台には老松が描かれるのが決まりですが、身曾岐神社の老松は、文化勲章受章者の守屋多々志氏が描いたもの。木曽檜で造られた舞台とともに、能を贅沢に演出します。 当日は、神職による舞台の祓い清めをしたのち、神様への奉納の「能」が始まります。また、日がおちると共に「篝火点火の儀」が行われます。薪に火が灯り舞台が明るくなる様子は幻想的で見どころのひとつになっています。 今年の演目は震災復興と鎮魂の願いを込めて選ばれた、3作品。平清盛の甥であり若くして死んだ平経政が亡霊となって現れる『経正 替之型』、居直り柿泥棒の山伏を野村萬斎師演じる狂言『柿山伏』、美女に化けた鬼女と平維茂の物語『紅葉狩 鬼揃』。観世宗家(観世清和師)を始めとする豪華な顔ぶれで開催されます。
●八ヶ岳薪能 会場:身曾岐神社 能楽殿 開催日:8月3日(水) 開場16:00開演16:45〜19:50 料金:1万円(協賛金) 申し込み:八ヶ岳薪能実行委員会 03-5445-5858(10:00〜17:00) ※満席になり次第終了。
今年で56回目を迎える歴史ある薪能
お伊勢さまカルチャーを体験 〜「伊勢薪能」伊勢神宮
伊勢は、昔から能のさかんな地域。遠い昔には、伊勢神宮(いせじんぐう)へ能を奉納する伝統があったと伝えられています。 「伊勢薪能」は、今年で23回目。神宮の神域内、外宮御門に舞台をしつらえられ、能が奉納されます。 今年ひとつめの演目は、源氏物語の主人公、光源氏のモデルになったという説もある源融が主人公の舞囃子『融』。そして、狂言は身曾岐神社と同じく『柿山伏』。最後は、天女と羽衣の昔話でおなじみの『羽衣』。それぞれに見どころがありますが『羽衣』の、天女が羽衣を返してもらうために、天の舞をゆったりと舞い、やがては天上に舞い上がり霞に消えて行くシーンがおすすめ。 神宮ご神域の冴えわたる空気のなかで観賞すれば、清らかで心が洗われるような気分になれそうです。
●伊勢薪能 会場:伊勢神宮外宮北御門 ※雨天の場合、厚生小学校体育館 開催日:7月30日(土) 開演18:00〜21:00(予定) 料金:無料 申し込み:不要 (問い合わせは伊勢商工会議所0596-25-5151)
どこ行く?神社の薪能
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<鎌倉薪能:10月8・9日> 半世紀以上続く 歴史ある薪能 |
神奈川・鎌倉市 |
鎌倉宮 (かまくらぐう) 問い合わせ:鎌倉観光協会 0467-23-3050 |
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<相模薪能:8月15日> 野村萬斎始め 豪華な顔ぶれが出演 |
神奈川・寒川町 |
寒川神社 (さむかわじんじゃ)
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その他神社の薪能
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