どんなに軽くても、いやーな気分になるのが事故&違反。そんな事態にならないためにおこなっておきたいのが交通安全祈願。といっても、きっかけがつかめず先延ばしにしている人も多いのではないでしょうか。交通安全の神さまとして知られる、広島県の速谷神社(はやたにじんじゃ)に、祈願のタイミングを伺ってみたところ、「車の購入や初詣のタイミングで祈願に訪れる方が多いですね。免許を取得したばかりの方もいらっしゃいます」と教えていただきました。新しい車ライフをスタートするときに祈願してもらうのがよいようです。また、必ず祈願しなければならないタイミングはないそうなので、ふと思い立った日に訪れるのもOK。もうすぐ、春の全国交通安全運転運動が実施されるので、これを機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
祈願の際に、きちんとマナーを守れているかどうかは、神さまもチェックしているはず。特に車の交通安全祈願で気をつけるべき点は「神さまがいる本殿に対して車を前向きに停車すること」だそうです。理由は、神さまに向かってお尻を向けることは失礼になるため。本殿の位置は、神社によりまちまちなので、駐車前に確認するのがよいでしょう。また、拝殿にあがるため靴を脱ぎ、脱いだ靴をそろえようと本殿にお尻を向けるのも、御法度。靴は脱いだままの方向でそろえないのが神社マナーです。あとは、通常の祈願と同様。「祈願前には手水舎で身を清める」「玉串料は封書に入れ、封書には玉串料と氏名を書いて渡す」「神さまに失礼のない服装をする」などの基本マナーを守っていれば大丈夫。なお「参拝に訪れたときのように、祈願前に拝殿にお参りする必要はありません」とも教えていただきました。
その昔、徒歩や船での旅は、今からは想像がつかないほどの大変な行程だったのでしょう。今、交通安全の神さまとして知られている神社は、山陽道や北陸道などを使い遠くまで旅する人が旅行の無事を願った神社や、水運の神さまとして信仰を集めた神社が多いようです。今回、アドバイスをいただいた速谷神社も、山陽道の守護神として昔から信仰を集めていた神社です。速谷神社では、「大事故を起こしたのに奇跡的に怪我がなかった」「ぶつけられたのに授与品の交通安全祈願の反射板だけが壊れて、車は無傷だった」という人がお礼参りに訪れることもあるそう。きっと、きちんとお礼参りへ訪れる人は、祈願も真剣に受けたはず。だから、危ない場面でも神さまが見守っていてくれたのでしょう。真摯に手を合わせれば、運転の腕を過信しないよう気を引き締める効果もあり。転ばぬ先の杖ならぬ交通安全祈願になりそうです。