1999年、日光にある2つの社が世界遺産に登録されました。それが、勝道上人を祖とする山岳信仰の聖地・日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)と、徳川家康公を祀る日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)。「人類の創造的才能を表現する傑作」「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」などの基準を満たしたことが、登録理由になりました。世界に認められた聖地での挙式は、文化財のオンパレード。日光東照宮で、参進するのは、有名な眠り猫と陽明門が眺められる国宝の廊下。廊下を渡り終わると、生演奏の雅楽が流れ始め和の趣たっぷりに式が始まります。日光二荒山神社では、重要文化財に指定されている神橋の渡り初めができます。神橋は、神事などの特別なときにのみ渡られていた神聖な橋。花嫁花婿が渡れば“幸せの門出の橋渡し”になり縁起がよいそうです。目にする物の多くが価値のあるものばかり。新郎新婦はもちろん、ゲストにも記憶に残る挙式になりそうですね。
神社を包むように広がる鎮守の森をふくめ敷地すべてが世界遺産、重要文化財の控え室、神殿での挙式・・・。演出いらずの最高のロケーションで結婚式を挙げられるのが、京都を代表する神社の一つ、下鴨神社(しもがもじんじゃ)。身が引き締まるような厳かな雰囲気やたくさんの観光客に写真を撮られることをヨシと思える人には、すばらしい記念になりそうです。併設の披露宴会場を使うこともできますが、食文化の栄える京都だけに料亭やレストランの選択肢が多いから会場選びも楽しそう。サイトから空いている日にちを確認して、予約できるのでシンプルに手間をかけずに挙式したいカップルにもおすすめ。ただし、人気が高いため4月と、9月から11月の土日は1年前から予約が埋まっていくので、できる限り予約はお早めに!
2008年、神社では47年ぶりに国宝指定を受けた青井阿蘇神社(あおいあそじんじゃ)。まもなく造営400年を迎える社殿の5棟が、新しい国宝になりました。挙式は拝殿から参進し、幣殿で執り行われますが、拝殿、幣殿ともに国宝に指定されている貴重な文化財。指定の理由になった、桃山様式を取り入れた装飾や色彩、南九州地方に見られる雲龍の彫刻のなかで、式を挙げることができます。黒を基調に漆塗りされた柱や壁、極彩色の彫刻は、晴れの日にふさわしい趣があるので、参列者も感激してくれそうです。ちなみに鎮座地は風水思想で、青瀧、朱雀、白虎、玄武という4体の霊獣に守られた土地にあたり、富に恵まれ子々孫々まで繁栄する「吉祥の地」。縁起のよさも折り紙つきなので、新しい人生のスタートにぴったりですね。