京急の三浦半島1DAYきっぷを使えば、今回巡る神社の電車&バスがすべて乗り降り自由。 京急品川駅から乗車の場合は1900円。
都内から京急で ご近所リゾート三浦半島へ
「パワースポットで話題の走水神社、行ってみたいね」「三浦半島なら他にも良い神社がいっぱいあるよ」なんて会話から始まった今回の企画。 三浦半島を第3の故郷と呼ぶ編集部Kが厳選した4社、走水神社〜叶神社〜海南神社〜森戸大明神を訪ねてきました。 決行は6月某日、京急の三浦半島1DAYきっぷを握りしめて品川駅から横須賀中央駅へ。 駅からバスに乗り、最初に向かったのは、企画のきっかけにもなった話題の走水神社(はしりみずじんじゃ)です。
社務所では、ご存じ江原啓之さんおすすめの境内パワースポットマップをいただけます。
生憎の天気でしたが、社殿の階段を上ると弟橘媛が身を投げたと伝えられる海が望めました。
小さな社が3社並ぶ三ノ宮。 社殿からの道の途中には、古事記に記されている弟橘媛の歌碑があります。
1社目 走水神社での不思議な体験
走水神社は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の后である弟橘媛(おとたちばなひめ)を祀っています。弟橘媛は、夫をとても愛していたようで、日本武尊と共に走水から上総(現在の千葉中部)へ渡るときに海が荒れたため自らの身を投げて海神の怒りを静め、日本武尊を守ったと伝えられています。 とはいえ走水神社の第一印象は、立派な伝承を伝える地には見えず。こぢんまりとしている境内に「本当にここが?」と思ってしまったほどでした。 しかし、二基目の鳥居をくぐり階段を上ると一気に空気が濃密に! それはまるで弟橘媛の夫を愛する気持ちのように、強いパワーが感じられる空気でした。そのあまりの強烈さに、私たちも「弟橘媛のように最愛の夫が見つかりますように」と祈り、ただただ無心に頭を垂れ参拝しました。 社殿の裏山を少し登ると、弟橘媛がいまわの際に残した歌の碑や、三ノ宮と呼ばれる小さな社が建ち並ぶ場所がありましたが、こちらも空気が濃厚に感じました。 走水神社のサイトによると歌碑設立の式典には、乃木将軍や東郷平八郎も訪れたようですから、やはり由緒ある社なのでしょう。由緒に加え、地元の方に敬われ守られ続けてきたからこそパワーに触れられ神聖な気持ちになれる神社なのかもしれません。
西叶、東叶とも社殿の前から海が望めます。
勾玉は水晶、翡翠(ひすい)、瑪瑙(めのう)の三種。好きな色を選んで大切な人に贈るのもおすすめです。
かわいらしい渡し船。船が対岸にいる場合は、ブザーで呼び出します。
2社目 船旅もあり!願いが叶う叶神社
走水神社での体験が強烈で、なかば夢うつつで到着したのが、願いが“叶う”と伝えられる叶神社(かのうじんじゃ)。 源氏の再興を願って創建され、源頼朝によってその願いが叶ったため叶大明神の名で呼ばれるようになったのが、名前の由来であり願いを叶えると伝えられるようになった由縁だとか。 叶神社は、浦賀港を挟み向かい合うように西叶、東叶と呼ばれる2社が建っています。西叶で勾玉(まがたま)を授けていただき、東叶で袋に入れると“願いが叶う”「縁結びお守り」が完成するそうなので、最初は西叶から参拝。社務所で勾玉を授けていただいてから東叶へ。 東叶へは、渡し船「浦賀の渡し」で行き来できるので、わずかながら船旅も楽しめます。どちらの神社も、目前に海、背後には小さいながらも山を背負っているせいか、海と山に浄化されているような清廉な空気が漂っていました。
バス停から神社へ続く、昔懐かしい趣の商店街。
料理の神さまを祀る海南高家神社。 すぐ横には包丁塚もありました。
3社目 マグロの町にある 料理の神さま 海南神社
再びバスと電車を乗り継ぎ、マグロ漁の基地である三崎港へ。 曇天だった天気が徐々に晴れに変わり日差しが照りつけるお昼すぎ、海南神社(かいなんじんじゃ)の最寄りのバス停、三崎港に到着しました。神社までの道のりは、昔ながらの観光地らしいちょっぴりひなびた商店街。家の軒先にイスを出し涼んでいる人たちが、通りを挟みながら会話をする、そんなタイムスリップしたような景色は、都内からの距離を忘れさせてくれます。 鬱蒼と茂った杜に囲まれた海南神社は、三浦半島の総鎮守。 奉納芸能の「ちゃっきらこ」は、国の無形文化財であり2009年にはユネスコ世界遺産としても認定されています。愛らしい少女たちの舞を見て見たかったのですが、「ちゃっきらこ」が見られるのは毎年1月15日のみ。この日は、静まりかえる境内で静かに参拝してきました。 拝殿左手には、料理の神さま磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)が祀られる海南高家神社あり、脇には料理人が包丁を納める包丁塚や包丁奉納殿も建てられています。 食べることが大好きな編集部スタッフは、いつもより真剣に参拝。その後は料理の神さまに感謝しつつ、三崎港名物のマグロ料理をいただきました。
潮風が通り抜ける、森戸大明神の境内。
境内裏手の海岸から見た「森戸の夕照」。 キレイです!
4社目 海の絶景を望む森戸大明神
海に突き出ている小さな岬の先端に鎮座する森戸大明神(もりとだいみょうじん)。源頼朝が1160年に建立したという歴史ある神社です。それまで回ってきた神社と違い社殿の背後に山はなく、代わりに三方を海に囲まれています。 小さいながらも海の景色に染まる爽やかな雰囲気がとてもステキで「この場所で結婚式を挙げたい」と話題になったほどでした。 実際、挙式にも力を入れておりブライダルフェアも行っているようですので、神前式にご興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。 そして爽やかな境内もステキですが、参拝したらぜひ社殿の裏手に回ってみてください。眼前に海が広がり、夕暮れには「森戸の夕照」として「かながわの景勝50選」に選ばれた絶景スポットです。取材日は残念ながら雲が多い天気でしたが、晴れていれば富士山と海に沈む夕日が見られるので、海岸に腰掛けながら夕日を観賞するゆっくりとした時間を過ごしてみてください。
各神社へのアクセス
■横須賀中央駅〜走水神社
横須賀中央駅から観音崎・観音崎自然公園行きバスで走水神社下車すぐ。
■走水神社〜叶神社
西叶へは、走水神社から観音崎・観音崎自然公園行きバスで観音崎下車。
浦賀駅行きバスに乗り換え終点浦賀駅下車。浦賀駅でJR久里浜駅行きバスに乗り換え、
紺屋町下車すぐ。東叶へは浦賀の渡しを利用。
■叶神社〜海南神社
紺屋町からJR久里浜駅行きバスで京急久里浜駅下車。京急久里浜駅から電車で三崎口駅へ。
三崎口から三崎港行きバスで終点下車、徒歩5分。
■海南神社〜森戸大明神
三崎港から横須賀市民病院行きバスで終点下車。横須賀市民病院からJR逗子駅行きに乗り葉山下車、
進行方向前方に海岸周りの葉山バス停よりJR逗子駅行きに乗り換え、森戸神社下車。
■森戸大明神〜新逗子駅
JR逗子駅行きバスで新逗子駅下車。
*バスの運行状況等に関しましては京浜急行バスホームページをご覧ください。
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