禊ぎの池に残る、
不思議な伝承
(かしまじんぐう/茨城・鹿嶋市)
本殿から徒歩5分ほど。鎮守の森のなかの階段を下りると、青緑に輝く御手洗池が見えてきます。「どんな干ばつにも枯れたことがない」「大人が入っても子供が入っても乳を越えない」という言い伝えも、吸い込まれそうなほど透き通る水を見ていると信じられる気がするから不思議。煮沸後飲用可能で、茶席の水としても愛用されているそうです。
筑波山の恵みを受けた
お水取りスポット
(つくばさんじんじゃ/茨城・つくば市)
筑波山は筑波山神社の境内であり、男体山山頂に筑波男大神(伊弉諾尊)を、女体山山頂に筑波女大神(伊弉冉尊)を祀る本殿が建てられています。この聖なる山からのわき水をくめるのが拝殿の左側にあるスポット。境内の手水場や池も同じわき水で、山の中腹にある神社ながら、濃厚な水の気配が感じられます。
金運アップ、商売繁盛に
“一粒萬倍の水”
(しながわじんじゃ/東京・品川区)
品川神社の境内には、商売繁盛や金運アップにご利益のありそうな”一粒萬倍の泉”を祀る阿那稲荷神社があります。
家門・家業の繁栄を祈って、“印鑑やお金にこの霊水を注ぐと吉”だそう。また、自宅や店の入口・四隅にそそぐのも良いそうなので、ボトル持参で訪れてみましょう。なお境内には大黒天も祀られているので、併せてお参りして更なる金運アップを願うのも良いでしょう。
霊峰・富士からわき出る
雪解け水
(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ/静岡・富士宮市)
境内にある湧玉池(わくたまいけ)は、富士山の雪解け水が何層もの溶岩の間からわき出て形成されたもので、国の天然記念物にも指定されています。
湧玉池の横には竹の水道から水をくめる場所があり、湧玉池の横に建つ水屋神社ではペットボトルも販売。霊峰富士の水を気軽に持ち帰ることができます。
源頼朝ゆかりの霊水で、
穢れをはらう
(きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ/山梨・富士吉田市)
源頼朝が富士の山神に祈りを捧げて掘り当てたという伝承が残る霊水「泉端」。富士北口浅間神社では、この水を富士の裾野から引き込み、手水場に流し込んでいます。
案内板には「清く澄み冷たいこと正に天下無類」の文字が。目が覚めるような水の冷たさは、確かに参拝前の心をキリリと引き締めてくれます。
愛飲すれば、
健康運と金運が上がる! ?
(おおやまあふりじんじゃ/神奈川・伊勢原市)
名水のふるさととして名高い大山にある大山阿夫利神社。その境内には“神泉”と呼ばれるわき水があります。場所は下社拝殿の地下。少しひんやりとした空間に、こんこんと水がわき出ています。そのまま飲用できる水質で、案内板によると飲用することで「殖産・延命長寿」のご利益があるそう。山の清々しい空気と併せて、ご利益のある名水で喉を潤せば、確かに健康で長生きできそうです。
欲だらけでは、
弁天さまは微笑まない?
(ぜにあらいべんざいてん うがふくじんじゃ/神奈川・鎌倉市)
本殿の左側の洞窟内(奧宮)にわき出す水自体がご神体。この銭洗水でお金を洗うと何倍にも増えるという言い伝えは、鎌倉を訪れるほとんど人が知っているのでは?
ところが知名度に反比例してご利益があったという話しはひかえめ。
それは、お金欲しさの一心で、万札をざぶざぶ洗うことのみに意識を集中しているからかもしれません。
奧宮へ一直線に向かうのではなく、きちんと本宮を(できれば上之水神社、下之水神社、鎌倉七福神を祀る七福神社も)お参りすること。「お金を洗って心を清める」という気持ちをしっかり持つこと。この2点を守って、清い心でお金を洗えば弁天様がほほえんでくれるのではないでしょうか。
伝説に彩られた名水
・泉神社
(いずみじんじゃ/滋賀・米原市)
「泉神社湧水」として、環境省選定の名水百選認定。
天智天皇が弓馬繰錬場と定め、人々が住居を構えたときに水が湧き出したとも、日本武尊(やまとたけるのみこと)が神の化身におわされた傷を癒したという「居醒水(いざめみず)」だとも言われています。1日の流水量は4500トンと豊富で、平均水温11度の清冽な霊水。ミネラルを含んだ良質な水質は、地元住民の手で厚く保護され大切に守り続けられています。
安産の神さまが守る
柔らかい味わい
・加賀野八幡神社
(かがのはちまんじんじゃ/岐阜・大垣市)
「加賀野八幡神社井戸」として環境省選定の名水百選認定。
加賀の氏神であり安産の神と伝えられる加賀野八幡神社。その境内に隣接する加賀野名水公園には、1日に430リットルが湧き出す自噴井があります。
味が良いため、飲用や料理に使われることが多いそう。参拝&水くみに訪れて、自宅で料理に使えば鉄壁の安産祈願ができそうです。
味、量ともに、
熊本を代表する湧水池
・吉見神社
(よしみじんじゃ/熊本・南阿蘇村)
「白川水源」として環境省選定の名水百選認定。
毎分60トンという豊かな水量のわき水は、一級河川「白川」へと流れ込み有明海へと行き着きます。熊本を代表するわき水であり、深い緑に囲まれた清冽な湧水池や小川の景観から観光スポットとしても人気。池に寄り添うように、白川水源の守護神として吉見神社が建っているので参拝もお忘れ無く。