1.非日常に踏み入れる熊野への旅
2.まずは、熊野にいらっしゃる神さまへ参拝 〜 熊野本宮大社
3.現世と過去世を救済する二柱を祀る 〜 熊野速玉大社
4.お盆には那智の滝ライトアップも! 〜 熊野那智大社
5.その他の世界遺産に登録されている神社
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■非日常に踏み入れる熊野への旅
「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界遺産に登録されたのは2004年。その一部に含まれる熊野三山とは、一般的に熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)、熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)、熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)の総称です。熊野は、神代の時代から他界への入口とされ、『日本書紀』でイザナミが葬られた地として記されています。
中世には仏教の浄土信仰と結びつき「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど、たくさんの人が熊野へ訪れました。紀伊半島は、標高1000mから2000m級の山々がつらなる山岳地帯。熊野は広大な紀伊半島の南側に位置するため、野を越え、山を越えるとても厳しい旅だったようです。
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■まずは、熊野にいらっしゃる神さまへ参拝
〜 熊野本宮大社
熊野本宮大社の創建は定かではありませんが、社伝によると紀元前に在位した崇神天皇(すじんてんのう)の時代だとされているので、かなりの古社ということになります。
鳥居の前に立つと、まず目にはいるのが、大きな八咫烏ののぼり。八咫烏は、日本サッカー協会のシンボルマークでおなじみ、三本足のカラスです。神武天皇を熊野から大和へ道案内したことから熊野では神の使い。三山のいたるところで目にすることができます。
鳥居をくぐれば、神さまが宿る神域。心が少しずつ静まっていくような杉林の参道を抜けると、シックで美しい檜皮葺きの社殿群に出会います。本社は、中央の第三殿で、主催神の家都美御子大神(けつみこのおおかみ)、昔は熊野坐神(くまのにいますかみ)「熊野にいらっしゃる神」と呼ばれていました。
参拝順路は、第三殿→第二殿→第一殿→第四殿→満山社と決められているので、間違えないよう気をつけましょう。
右から順番に第一殿から第四殿が並びます。
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■現世と過去世を救済する二柱を祀る
〜 熊野速玉大社
眩しいほど鮮やかな朱色の社殿に祀られている、熊野速玉大社の主祭神は、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)・熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)。
熊野の信仰は、仏教と古くから習合し「熊野権現信仰」という独自の信仰として広まりました。権現というのは神々が仮に仏の姿を借りて現れるということです。速玉大神は過去世を救う薬師如来、夫須美大神は現世加護の千手観音、家津御子大神は来世(浄土)へと導いてくださる阿弥陀如来として権現され、熊野三山は御神仏のまします常世として考えられるようになりました。
木に覆われるような熊野本宮大社の参道と違い、速玉大社の参道は明るく広々。途中には、ご神木の樹齢千年の梛(ナギ)の大樹があります。昔は、この葉を懐におさめて道中や海上の安全を祈る風習がありました。また、近世では横に裂けにくいことから男女の縁が切れないとも言われていますので、意中の彼がいる人は試してみてはいかがでしょうか。
朱色が美しい、熊野速玉大社の社殿。
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■お盆には那智の滝ライトアップも!
〜 熊野那智大社
森の中に突如あらわれる、天から落ちてくるような一筋の滝。那智の滝は、熊野那智大社別宮飛瀧神社の御神体。133mという日本一の落差を誇っています。
熊野那智大社の社伝によると、神武天皇が那智の山に光が輝くのをみて、この大瀧をさぐり当てられ、神として祀ったとのこと。317年には、滝から近く見晴らしのよい場所に社殿を移したそうです。
“見晴らしがよい地”というだけあり、熊野那智大社へはかなり長い階段が待っています。熊野詣に訪れた昔の人は、階段に息を切らせながらも、あと少しで参拝できる期待感をはげみに登ったのでしょう。
拝殿へ参拝したら、那智の滝へ。森のなかの道が滝に近づくにつれ、ゴーという音が近づいてきます。首が痛くなるほどの高さから落ちてくる水の固まりは、大迫力で圧倒されるほど。
※今年は本日(8月15日)まで、ライトアップを開催。
午後7時30分から午後9時
小高い丘の上に建つ熊野那智大社。参道の上からは素晴らしい眺望が。
画像:熊野那智大社提供
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■どこから巡る?世界遺産に登録されている神社
◆幕府、豪族の信仰を
集めた関東の守り神
栃木・日光市
日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)
◆神杉の林に点在する
貴重な社殿群
栃木・日光市
日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)
◆恋愛成就を願う
参拝者で賑わう
京都・京都市東山区
地主神社(じしゅじんじゃ)
◆糺の森に守られた
古都の神域
京都・京都市左京区
賀茂御祖神社<下鴨神社>(かもみおやじんじゃ<しもがもじんじゃ>)
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■その他の世界遺産に登録されている神社
■京都・京都市北区/上賀茂神社・かみがもじんじゃ
■京都・宇治市/宇治上神社・うじがみじんじゃ
■奈良・奈良市/春日大社・かすがたいしゃ
■奈良・吉野町/吉野水分神社・よしのみくまりじんじゃ
■奈良・吉野町/金峯神社・きんぷじんじゃ
■奈良・吉野町/吉水神社・よしみずじんじゃ
■奈良・十津川村/玉置神社・たまきじんじゃ
■和歌山・かつらぎ町/丹生都比売神社・にうつひめじんじゃ
■和歌山・九度山町/丹生官省符神社・にうかんしょうぶじんじゃ
■広島・廿日市/厳島神社・いつくしまじんじゃ
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■バックナンバー
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