■神さまの意志を知るための手段
おみくじは漢字で書くと御神籤(御籤・御御鬮とも)と書きます。
神社にもありますが、寺院にもあります。寺院では「御仏籤」と書きますが、読み方は同じです。
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■神社でのおみくじは鎌倉時代から
おみくじは「くじ」の一つで、「くじ」とは、偶然を利用して、物事を機械的かつ公平に決める方法です。現代でも、順番や商品の当選者などを決めるとき、くじ引きによって決定することが多くみられます。おみくじとは、この「くじ」に神意を求める方法になります。だから、丁寧語の「御」や「神」という文字を入れて、普通のくじとは一線を画しています。ただ、神道の歴史からすると、神社でおみくじを引くようになったのは、ずいぶんと新しいことになります。
おみくじが誕生したのは、平安時代の末ごろとされています。物事の善し悪し、重要事項の決定、勝敗の決定、後継者人選、物事の順序の決定などの際、神の意志を知るための方法とて始まりました。やり方はいろいろでしたが、一般的だったのは短籍(たんざく)方式だったようです。これは竹・木片・紙片などに人名・事項などを書いておき、神さまに祈ってから、一つを引き出すというやり方です。
そして、鎌倉時代になってようやく神社でのおみくじが誕生することになるのです。
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■お札やお守りは神さまの御分霊
神社ではたいてい「お札」や「お守り」を授与しています。両方とも神職が神前でお祓い・祈祷したうえで授与しているので、神さまの御分霊と考えられます。形は様々で、神さまの名前や姿を記したものもあれば、狐、鴉、蛇など神さまのお使いとされる動物を記したものもあります。また、記号や絵などを記したものもあります。お札・お守りの目的は祈願。内容は商売繁盛、家内安全、無病息災、学業成就と、じつに多岐にわたります。
ところで、お札・お守りには正式名称があることをご存じですか?お札は「神札」(神符とも)が正式名。お守りは「守札」が正式名です。両者を「護符」と総称します。これらの護符は、日本古来の信仰と外来宗教の風習が合わさることで生まれました。日本古来の信仰とは「霊物は身を守る」とする考え方になります。霊物とは神の力が宿ったモノのことで、御神木の葉とか剣とか色々ありますが、これらは神の力を宿しているので、所持したり身近に置いておけば、災厄から人間を守ってくれると考えられていました。
外来宗教とは道教のことです。道教は中国の民衆宗教です。道教では寺院が発行する護符(呪符、霊符、秘符などさまざまな呼び名がある)を貼り、災厄をのがれるという風習が一般的でした。この道教の風習が、日本古来の信仰と合体し、新名・御姿・記号などを記した「お札」「お守り」が生まれました。
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